【福岡】全九州卸売酒販組合協議会(栢正一会長)は6月10日、福岡市の八仙閣で第48回通常総会を開催した。九州7県の卸組合の役員が集い、市場問題など懸案問題について協議するもの。平成21年度収支予算案などの上程議案を可決承認したほか、今年の「全九州卸売酒販業者大会」(9月15日・鹿児島市)の実施計画について説明があり協力が要請された。協議では、酒類ガイドラインに則した公正取引実現への取り組みが成果を上げるなか、揺り戻しの動きや帳合替えの現実もあり、量から質重視への経営転換へ正念場の局面にある姿も浮き彫りになった。
協議会には福岡・熊本国税局から、福岡局清水保酒類監理官ら、全国卸売酒販組合中央会から塩本昇専務理事が臨席。冒頭あいさつで栢会長は現状について「低価格志向で、ビールメーカーの新分野銘柄間競争の激化は必至で、“生活防衛特価”も見られ、流通間の競争もし烈。全国大手スーパーを中心とした値下げ傾向は鮮明で、それにホームセンターやドラッグストアが刺激を受け、揺り戻しが散見される」と指摘。改善した取引環境を再び悪化させないよう、「酒類総需要は伸びないという認識を新たに、付加価値を上げ利益を上げる方向に行かねばならない。これまでの協調関係を崩さないよう、帳合変更などの阻害要因を排除し、不退転の覚悟で取り組んでいきたい」と訴えた。
当日は同会に先立ち、中央会北九州支部の第34回通常総代会も開催され、今年度予算案などを可決承認したほか、同様の協議を展開した。
塩本専務は中央情勢について報告。特に6月3日に成立した、課徴金の適用範囲を拡大するなどした「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律」について説明し、公取委に対し「(改正法が)機能するよう具体的客観的なガイドライン発出を望む」とした。市場軟化を誘引するメーカーの「需要を無視した生産」や、量販店が「生活防衛価格の原資を卸に求めてくること」を批判。下へ潜り帳合を取る行為は、地方卸に見られるとも。全国系卸の“赤字取引”を切る対応に対し、「地方卸には新取引制度移行時に(得意先が)大手へ流れたトラウマがあり、取り返すとの話も聞かれる」。むしろ事業で重視されているのは与信管理だとして、適正利潤を確保した納価設定を崩さないよう訴えた。
市場問題についての各県意見交換では、ビールなどの最安値が示された。依然として県境を越え取り合うことへ批判も見られたが、「現実問題として、出ていかなければ自滅する」との反論も。それよりも、「いたずらに人の腹を探り、突き合いをしている」ことへ冷やかな見方も示された。酒専業DSの衰退が顕著な半面、コスモス、ダイレックス、トライアルなどが台頭し安値合戦も目立つなか、各店間の価格競争も激化し再交渉・再見積りのアプローチが、「出さない大手卸にではなく、地場卸に向かっている」とも。その対処いかんが、これまで築いた取引条件の改善を崩すことへ強い危機感も示された。
九州7県の卸組合数は125者。<▽福岡=41▽佐賀=6▽長崎=11▽熊本=35▽大分=11▽鹿児島=7▽宮崎=14>
“九州は一つ”を旗頭に懸案問題について協議するため全九州の卸業者が集う「全九州卸売酒販業者大会」は今年は9月15日、鹿児島市の城山観光ホテルで開催される。