【熊本】熊本県卸売酒販組合(28者、池田正三郎理事長)は5月21日、熊本市内のホテルで第56回通常総会を開催し、平成21年度予算案(収支1743万3415円)など上程の全議案を可決承認した。酒類ガイドライン等に沿った公正取引の推進、量から質重視への経営転換をあらためて重要課題とした一方、研修会の開催など経営に寄与する事業の積極展開も訴えられた。
総会には当局から熊本国税局・須藤茂俊酒類監理官らが臨席。全国卸売酒販組合中央会からは首藤壽雄常務理事が来熊し、中央情勢報告を行った。
冒頭あいさつで池田理事長は、インフルエンザ問題に触れ、「人の動きが止まり、金銭の動きまで止まることが危ぐされる」と語り、問題の経済への影響に懸念を示した。地元の美少年酒造が、事故米被害の当該企業となり、その後の裏金問題で民事再生法の申請に至ったことへも言及し、「酒造組合だけでなく、卸にとってもマイナス要因。免許業者としての自負と責任、企業コンプライアンスを今一度、見直さねばならない」と訴えた。
同組の組合員は昨年度初めの35者から7者減(脱退3者<任意2者、合併等1者>、休業4者)で28者となった。販売量も7%減。厳しい経営環境下、今年度事業計画案のなかでは、経済好転への期待も寄せられた。政府の景気対策はもとより、九州新幹線鹿児島ルートの全線開通、熊本市の政令市への移行に向けた再開発の進展によって、「地域経済の浮揚に希望が持てる」。新取引制度については、「ほぼ定着したことにより若干の利益率アップが見られたが、問題点が完全に解決されていない」として、課題克服を懸案材料とするとともに、同制度への移行を契機に着手した県産球磨焼酎を利益商材とする取り組みを、「確実に推進する」総意も示した。
経営近代化の取り組みとして有効だとしたのが、さまざまなテーマで催す研修会。今年2月、熊本国税局、球磨焼酎酒造組合の後援で開いた球磨焼酎について学ぶ会も70人以上が参加し好評だったことから、継続して開催していく方針で、所管行政への協力も求めていく考えだ。南九州支部4県の組合統合については、結論に至らず、検討継続とした。
中央情勢については、議案審議終了後に中央会首藤常務理事が説明。新取引制度へ移行後、総体としては「揺り戻しに応じず来ている」としたが、揺り戻しにさらされている地域があるとも。ビールメーカーの拡売施策に伴い安売りの原資が生まれているとの見方がある一方、メーカーではなく卸もしくは小売が出しているとの見方も示した。
ビールメーカーの保証金制度の見直しについては、利息1・45%への引き上げが検討されていることや、有価証券などでの代替を認める案が出ていることなど伝えられたが、業界要望の実現へは時間がかかるとの印象を与えた。
その他懸念材料として、①家電大手量販店(ヤマダ電機)全店での酒類販売構想②関東で出店の外資系流通(メトロ)の動向③業酒連の媒介業免許取得(今夏見込み)などを挙げた。卸業者が新たな役割や価値を提案するために、「農商工等連携促進法」を活用し、地域資源を生かした商品開発・販売に取り組むことも提唱した。
来賓祝辞のなか須藤酒類監理官も、量から質への転換、消費者目線が業界のキーワードだと強調した。
当日は同組総会に先立ち、全国酒類卸売業協同組合熊本県支部(池田支部長)の支部会も開催。福利厚生に資するとして、総合保険制度への加入が勧奨された。