【熊本】球磨焼酎酒造組合は4月22日、人吉市の人吉商工会議所で「球磨焼酎を世界ブランドに!プロジェクト」平成20年度事業報告会を開いた。中小企業庁などが支援するJAPANブランド事業の一環で、首都圏で行った試飲会などについて報告され、今後の活動計画が示された。
同年度について、商工会議所・堤正博会頭は、具体的政策を展開した「ブランド確立の1年目」と位置付けたうえで、「日本全国へ大きくアピールいただいた」と事業の成果を評価。関係者の一層の支援を要請した。今年度からは海外進出支援事業に入るとして、事業の拡大に期待を寄せた。プロジェクト実施委員会・池邉道人企画部会長は、「今年に入り焼酎は数字を落としているが、不景気でも売れている商品はある。これは焼酎がブランド確立していない証し。球磨焼酎もここ数年が勝負。世界のブランドに育て上げる夢に向ってまい進したい」と、事業推進の加速を訴えた。
事業実績については、酒造組合青年部・高橋昌也部長が報告した。
東京では2度にわたり大試飲会を開催。関係者が球磨焼酎への認識を共有するためのブランドブック(「ふるさとのたからもの~球磨焼酎を語りたくなる本~」)を制作したほか、アメリカの酒類市場を知るセミナーも催した。
首都圏での消費者アンケートなどを蓄積・分析した市場調査を踏まえ、今年度のプランも示した。
首都圏での試飲会は継続開催の方針。大きな手ごたえを得る一方、「砂漠に水をまくような感じ」(高橋部長)とも語り、ブランド浸透に時間がかかるとの実感も伝えた。熊本県の物産品を首都圏で販売する銀座熊本館の常設バーでもアピールする。
海外戦略としては、香港でのテイスティング会を計画。そのほか新たな試みとして、①首都圏での外国人ジャーナリスト向けテイスティング会②球磨焼酎全28蔵元ミニチュアびんセットの開発③海外市場向け750ml商品の開発④歴史・文化的価値を伝える歴史本の制作⑤東京で開催される居酒屋がテーマの展示会への出展⑥東京の調理師学校への“焼酎学”講師の派遣--など計画。
現在、地元熊本県で展開中の①球磨焼酎案内人(球磨焼酎のエキスパート養成のための講習会と資格試験の実施)②球磨焼酎応援店(球磨焼酎拡販のための酒販店・飲食店の登録)--を首都圏へ広げる考えも示した。
報告会の出席者からは、「人吉・球磨のコメを前面に出すことが必要」「個々の蔵元の知名度は低く、強力な商材になるミニチュアセットを最優先で開発すべき」などの意見が聞かれた。
JAPANブランド事業は平成19年度から開始。19年度は戦略策定のための費用として事業費の全額500万円が補助金で賄われた。20年度は事業費用2000万円の3分の2に対し補助金が拠出されている。21年度事業については認定申請をしているところで、総事業費は1800万円、20年度並み割合での補助金拠出を見込んでいる。