本村製作所 「減圧型貯蔵タンク」

 【福岡】清酒を酸素から守る、品質保持のための専用タンク「減圧型貯蔵タンク」を醸造機器メーカーの本村製作所(本社・大川市)が開発した。減圧脱酸素・窒素置換によって、香気成分の揮発を防ぎ、過熟を抑えるなど酒質管理に寄与。端桶(はおけ)で生じる酒質劣化を防ぎ、ランニングコストの低減にもつながる。貯蔵技術の改善に取り組む清酒メーカーの要望で開発されたもので、すでに数社が試験的に導入。一部メーカーでは実用段階に入っている。<実用新案登録第3144487号>  タンクは内部の完全真空に耐える構造。上部に排気口と、窒素ガス置換のための導入口を設けた一体型・密閉タイプで、①真空ポンプで上部の空気を減圧し、酒の溶存酸素を低減(脱酸素)②減圧後の窒素封入によって、低酸素濃度を維持したまま貯蔵する。

 従来の脱酸素方法と比較し、香気成分の揮発を抑制。簡便性に優れ、ランニングコストの低減を実現する。①窒素ガスのバブリングによる置換法では、窒素ガスの使用量が液量の2~3倍必要で、導入の窒素ガスに付随して香気成分が揮発し品質劣化のおそれがある②気体の透過膜による減圧脱気法は装置が高価。貯蔵先で空気との再接触を防ぐ必要もあり、香気成分が損なわれる可能性がある。

 実際の使用例は、①火入れ酒(熱酒)をタンクへ移送し、密閉・冷却②冷却後、気体部分は減圧状態となり、溶存酸素低減下で貯蔵。さらに真空ポンプによって減圧度を変えることで、脱酸素の程度を調整することが可能で、酒の熟成にかかわる酸素量を管理できる③窒素ガスによって復圧すれば、払い出しで端桶になっても溶存酸素濃度は上昇せず、貯蔵中の過度な酸化を防止する。

 生酒の低酸素・低温貯蔵(ジャケットへの冷媒導入)も可能。はん用性に富み、酒の移動が必要な火入れから貯蔵までをタンク内で一貫して行える。生酒を移送し減圧した後、溶存酸素の低い状態でジャケットを利用し加熱することで、局所的な温度上昇がなく「酒を傷めない火入れ」(同社)ができる。

 容量は1・8kl、3・6kl、7・2kl--の3タイプ。直径1m~2mで高さ3・6m。問い合わせは同社まで(TEL=0944-87-3025)。

(掲載日:2009年04月27日)

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