日本洋酒酒造組合 新たな需要創造を推進

 日本洋酒酒造組合は、4月16日に臨時総会および理事会を開催。新たにサントリー酒類の相場康則社長を理事長に選任した。相場新理事長は同日会見を開き、新理事長就任にあたっての抱負、今後の取り組みなどについて語り、「今後ますます多様化する消費者のライフスタイルに対して、R&Dへの取り組みを強化し、新たな需要創造を推進できるような魅力ある商品の開発が大切だと考えている」などと述べ、業界発展のために全力で取り組む考えを示した。

 相場新理事長の会見内容(要旨)は次のとおり。

 酒類業界は、昨年末からの景気後退や消費者の嗜好の多様化などの影響を受け依然厳しい状況下にある。洋酒業界も同様の状況で、今後も取り巻く環境は引き続き厳しくなるものと考えている。

 しかし、この厳しい状況の中でも洋酒業界においては新ジャンル商品、健康志向を捉えた機能系飲料、高付加価値商品など、消費者ニーズに的確に応えた商品は伸長してきている。多様化する消費者のライフスタイルに対して、R&Dへの取り組みを強化し、新たな需要創造を推進できるような魅力ある商品の開発が大切だと考えている。

 一方で、洋酒の美味しさを体験できる場所の提案や洋酒ならではの楽しみ方や時間など付加価値を消費者に訴求していくことも重要と考えている。これらの活動を通じて洋酒市場のさらなる成長を実現していきたい。

 さらに未成年者飲酒問題、飲酒運転問題など世界的に関心の高まっているアルコール関連問題や地球規模の共通の課題である環境保全など社会的要請に対しても、引き続き組合として積極的に取り組んでいく。新たな舵取りとして、身も引き締まる思いだが、洋酒業界発展のためにがんばっていく。

 アルコール関連など社会的問題への取り組みについて

 WHOは2008年度の第61回総会で「アルコールの有害な使用を低減するための戦略」を2010年の第63回総会でまとめるため基本的な考え方を合意した。決議では加盟国ごとの文化、宗教や経済事情に応じてアルコールの有害な使用による害の削減をエビデンスに基づき立案し、その際、酒類業界にも意見を求めることが明記されている。当組合としては、未成年者飲酒、飲酒運転防止や適正飲酒の啓発についての取り組みを継続徹底していく。

 洋酒の需要動向について

 洋酒市場は厳しい状況が続いている。しかし、最近はそうした景気動向を受けて、外飲みから家飲みへと消費の場がシフトしており家庭用でウイスキーの伸長が見られたり、健康に対する消費者の意識の高まりから、糖類・糖質ゼロなどの機能系低アルコール飲料が伸長したりと、必ずしも悪い材料ばかりではない。消費者ニーズにマッチした商品提案をすることが、逆に洋酒市場の活性化につながるチャンスであると考えている。

 国産ウイスキーは昨年、ウイスキーの本格的な魅力を追求する情報発信を各社が強化し、1998年以来実に10年ぶりに前年を越え、今年に入っても好調を維持している。昨年も国際的な酒類コンペティションでわが国のウイスキーが高い評価を得て、ジャパニーズウイスキーが世界のウイスキーの中で確固たる地位を強固なものにしたが、今年に入っても著名なコンペティションで最高賞を受賞するなど海外におけるジャパニーズウイスキーの存在感が高まっている。

 また、スタンダードウイスキーでは景気動向を反映して家飲み需要が増加。この影響もあって家庭で食事と一緒にウイスキーのソーダ割りを楽しむなど、それぞれの好みに合った飲用場所や飲用方法でウイスキーを楽しんでいる消費者の声も聞かれ、活性化を見せている。ウイスキーならではの付加価値が再び消費者の支持を得て、確かな成長の兆しを見せていると感じている。

 スピリッツについては、健康志向の高まりを背景に特に「糖質・糖類ゼロ」などの機能系缶入りチューハイ商品が大きく支持を得て、引き続き好調に推移している。

 リキュールについても、カクテル・チューハイ分野は、各企業から多くの新商品が投入されたことに加え、消費者の生活防衛に対する意識の高まりなどからビール系新ジャンル商品が伸長している。梅酒についても、家飲み需要の高まりを背景に、気軽に楽しめる紙パック梅酒が伸長するなど引き続き好調だ。厳しい環境ではあるが、洋酒の持つ多様な楽しみこそがさまざまな消費者のニーズに応えられる強みと考え今後も業界発展のためにがんばっていく。

 相場新理事長略歴

 昭和49年サントリー入社。平成15年3月取締役ビール事業部長就任。平成19年9月常務取締役ビール事業部長兼酒類カンパニー副カンパニー長。平成21年4月サントリー酒類社長就任。

(掲載日:2009年04月24日)

トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.jyokai.com/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/2817


<最近の記事>

  • 若竹屋酒造場 伝える力はぐくむ

  • わんまいる 新年大会「絆」フェスタ

  • 平成20FY酒類消費数量 852万klで2.8%減少

  • 高松小売と県業務用品部会 今年から合同で新年会

  • メルシャン事業方針 2010年は2%増を目指す

  • 11月洋酒出荷 13万7千klで16%増 

  • 明治屋 高島屋大阪店に新店

  • サントリー 国産最軽量2lペットを発表

  • ビール酒造組合 CMの自主基準を強化

  • “広島の酒”東京でPR 「ふるさと祭り東京」に初出展

  • 当サイトに掲載の記事・写真・図表等の無断転載を禁じます。
    著作権は、株式会社 醸界タイムス社に帰属します。
    Copyright© 2010 The Jyokai Times. All rights reserved.
    個人情報リンクトラックバック