【高松】高松地区の酒販店で組織する高松小売酒販組合(多田健治理事長)が総代会の内容を組合員に報告する「周知会」が3月24日、高松市林町のサンメッセ香川であり、約80人が説明を受けた。組合の活性化を図ろうと、今回初めて講演会を企画。経営コンサルタントで中小企業診断士の高野(こうの)弘之氏が元・酒販店経営者の経験を生かして「後継者と向き合い、夢を持とう」と呼びかけ、参加者に希望を与えた。
多田理事長は、冒頭あいさつし、講演会の企画について「今回が初めてで、厳しい商売を組合として何とかしたい」と主旨を説明した。会場で内容を報告した第56期「通常総代会」は、2月23日に総代を集めて開催。平成20年度12月期決算約1102万円や21年度予算約981万円などを可決していた。
講師に招かれた高野氏は、1957年東京都生まれで、早大法学部卒後、大手物流会社に入社。90年から酒販業の後継者に転じ、2005年に中小企業診断士の資格を取得した。翌年、国税庁税務大講師などを経て2007年にコンサルティング会社オフィスペリカンを設立し、独立。現在は、NPO酒類業フォーラムの会員でもあり、酒屋出身の異色のコンサルタントとして活躍している。
講演では、事業承継が進まない大きな理由として「後継者がいない」などを挙げ、30年前にサラリーマンの約1・3倍だった収入の規模が逆転し、会社員の半分に落ち込んだことを指摘。「カネが全てではないが、儲かる仕組みが必要」と熱弁をふるった。
全国的な事例もいくつか取り上げられ、債務超過に陥ったり、信用保証協会から代位弁済を受けたりしたケースが紹介された。「息子が全然知らない。親は子供に資金繰りを任せると危ないと思っている」「もっと向き合い、息子や娘からアドバイスを受けてほしい」と提案。高野氏は、自身の経験を踏まえて「後継者と真剣に向き合い、本音で話し合うことが第1歩」と熱い気持ちをぶつけた。
会場は、酒販業界にとって後継者問題が大きな関心事だけに親子関係にまつわる忠告を熱心に聴講する店主らで満員。若い後継者の1人は「酒販店を営んだ先生の講演で、説得力があった。身近な問題で聴いて良かった」と感謝していた。