【熊本】熊本国税局鑑定官室が4月16日、熊本合同庁舎で本格焼酎製造業者を対象に「きき酒特別研修」を実施する。製造上のミスから生じる香りの欠点を正しく理解することで、酒質の個性化につなげてもらおうと企画したもので、初の試み。甲乙混和焼酎との競合関係も意識し、「個性、原料特性を残す方向(での製造)を加速させる」(同局・三宅優鑑定官室長)ねらいがある。
実施日は、同局主催・酒類鑑評会の入賞場を発表する表彰式、製造業者対象の製造技術研究会(出品酒のきき酒会)開催と同日。特別研修は、技術研究会参加者のうち希望者、出品製造場ごとに1名に限り参加が可能。原料区分ごとに20人程度の少人数で班分けし、技術研究会の時間帯(12時50分から16時まで)に各班25分程度で行う。
研修試料は、すでに終えている予審(3月4、5日)において、品質評価員が製造上のミスから生じたであろう欠点のある焼酎を、原料ごとにピックアップ。銘柄を伏せるかたちで数点を揃え、マッチングができるまで繰り返しきき酒をするなど、欠点の正確な把握を促す。
特別研修の背景には、「めざましい本格焼酎の品質向上」がある。「過去の鑑評会では多く見られた製造上のミスから来る欠点がほとんど見られなくなった」。そのため、「若い製造・品質管理担当者がそうした香りをきき酒する機会が減少している」という。
本格焼酎の優位性は、各蔵ごとの独自の個性、際立つ原料特性にある。「香りをつけなければ欠点はなくなるが、個性が薄くなる。香りの欠点ばかりを気にして個性、原料特性を弱めることは本格焼酎の将来にとってマイナス。経験が浅い担当者に、ミスから生じる香りの欠点を正しく理解してもらい、欠点とされる香りも過度に大きくなければ欠点ではなく、個性、原料特性を引き出すのに有効なものであることを知ってもらいたい」。
同局鑑評会は管内4県(熊本、大分、鹿児島、宮崎)で製造された清酒と本格焼酎を品質評価するもので、本格焼酎部門には今年は181場が出品。決審は3月25日。
甘藷(サツマイモ)区分では、使用原料の多様化が進んでいる。主流だったコガネセンガンは昨年は全出品点数の81%を占めたが、今年は76%で、他原料芋使用が5ポイント上がっている。
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同局は、昨年の鑑評会で清酒部門に“熊本酵母吟醸酒”の部を新設。こちらは、鑑評会を舞台にした“吟香”競争への異論から、熊本酵母の持ち味を引き出し、「まろやかな吟味をつくる技術」の継承を目指すもので、個性重視の鑑評会改革を試みている。