【奈良】奈良の大地に育つ「奈良の八重桜」から、爽やかな旨みを創る花酵母を採取・分離して造った清酒「奈良の八重桜」の試飲会が九日、県関係ら多数招いて奈良ホテルで開かれた。
清酒「奈良の八重桜」は奈良女子大学、奈良県工業技術センター、清酒「春鹿」醸造元の今西清兵衛商店(奈良市福智院町、今西清隆社長)が共同で奈良八重桜プロジェクトを結成(2006年初夏)して開発した。
07年に奈良女子大学構内より奈良八重桜の採取を試みるが分離できず、08年理学部生物学科の学生、奈良県工業技術センター研究員が加わり、採取場所を奈良公園にまで広げ、この年、1株だけ分離された清酒酵母は、酒造での醸造適合性も良く、酸味と甘味のバランスが絶妙な爽やかな清酒を創り出した。
花時期は5月初旬。蕾の頃は濃い紅色を、花の開花時期は白に近い淡い紅色、そして散り際に花びらがまた紅色を深め、可憐で葉の陰に隠れる様にひそやかに咲く、奈良を代表する花。
「ナラノヤエザクラ酵母」は清酒酵母の特許微生物寄託センターへの申請名称。核DNA蛍光像から核相はほぼ2倍体。自然酵母には他の菌株に対してキラー特性を示すキラー酵母が知られているが、協会酵母(7、701、901号)に対して、キラー性を示さず、醸造現場で使いやすい菌株。
同酵母を使って醸造された清酒は、コハク酸、リンゴ酸が多く含まれ、ほのかな上品な桜の香りがして、甘みと奥深い旨みを感じ、爽やかな味がする。カクテルなどにも最適。この桜からは清酒用酵母だけでなく、パン製造や小麦ビール醸造に使用される「Torulaspora delbrueckii」系の酵母もまた分離されており、さらに大きく夢がふくらんでいる。
アルコール度14%、容量300ml、価格(税込)735円。奈良女子大学創立百周年記念日(09年5月1日)に同生協から始まり本格的に売り出されていく予定。