【熊本】1月28日、熊本市のくまもと県民交流館パレアで、県民が地元・球磨焼酎のブランド戦略について学ぶ講義があった。生涯学習のために開校する「くまもと県民カレッジ」の講座、産業コース“熊本ブランド大作戦~地域ブランドで熊本を元気に~”全10講義の一つ。球磨焼酎酒造組合青年部・高橋昌也部長(高橋酒造専務取締役)が講師となり、約1時間30分にわたり、球磨焼酎ブランド構築への取り組みを熱く語った。
当日は約30人が聴講。高橋氏は、コメを原料とした球磨焼酎の知名度は、球磨をクマと読めないぐらい、非常に低いと認めた。ブランド訴求を始めた背景には、焼酎業界への大資本参入がある。甲乙混和焼酎が冠表示で「本格焼酎ブランドを仮装する」状況下、自らのカテゴリーを守るためには、歴史や文化に根ざす地域ブランドで競争力を高めることが必要だと説明した。
球磨焼酎の歴史は500年以上。本格焼酎の源流であるとの自負も示した。しかも、その産地は海外(WTOトリプス協定・地理的表示)、国内(地域ブランド)で保護されている。28もの蔵元の、200以上の銘柄を楽しめる焼酎でもある。
ブランド売り込みの切り口の一つが首都圏。「九州では乙類焼酎のこれ以上の消費は望めない」。現在、ブランド訴求をけん引するJAPANブランド育成支援事業「球磨焼酎を世界ブランドに」プロジェクトについて、ブランド確立のためのミッション(基本理念)やビジョン(組織が目指す姿)を策定済みで、東京での試飲会開催なども伝えた。今後は、関係者の意識統一のバイブルとなるブランドブックの作成、首都・関西圏での広告展開、販促拠点づくり、28蔵共同企画商品の開発にも取り組む意向。
「食べ物は五感で感じるものだから、スペック(性能)では売れない」「響くのはネイティブ感(自然文化を内包した土着性)」だと強調。ブランド確立のためには、「粘り強く説得を繰り返し、組織全体を同じ方向に向かわせることが重要だ」と訴えた。
今回の県民カレッジ講座・産業コースは、2011年新幹線開通の影響などで激化するだろう産地間競争を前提に設定。酒類業界関係ではすでに、三和酒類・西太一郎会長が“地域ブランドから全国ブランドへ”をテーマに講師を務めている。