【東京】球磨焼酎を東京でアピールするテイスティング会が1月20、21の両日、文京区の椿山荘で催された。中小企業庁などが展開するJAPANブランド育成支援事業、「球磨焼酎を世界ブランドに」プロジェクトの一環で、昨年11月の開催に続く2回目。前回は流通・料飲店関係者と在京熊本県人を対象に実施したのに対し、今回は新たに一般消費者とマスコミ関係者を対象に加え、アピールの幅を広げた。
球磨焼酎は熊本県人吉・球磨地域で造られる本格米焼酎。500年の歴史を有し、本格焼酎の源流を成す。球磨川流域という限られた地域内に28もの焼酎蔵が連なり産地を形成し、唯一固有な価値を有す。産地ブランド“球磨”は、世界的にWTOトリプス協定によって表示が保護され、国内法規下でも地域団体商標(地域ブランド)として登録されている。球磨焼酎のイメージをデザインした統一ロゴマークもある。
球磨焼酎の魅力を、蔵元関係者が直接伝えるテイスティング会。20日には初企画として一般消費者を対象に催した。新聞広告で開催周知を図り事前の参加申込を募ったところ、約1700人から応募があり、抽選で1000人を招待した。当日の来場者は600人に達し、会場は熱気に包まれた。
出展された球磨焼酎は全28蔵元の約80種。蔵元個々のブースには、ほぼ全社の経営者や社員が立ち、直接消費者に商品の特徴を説明しながら試飲を勧めた。球磨焼酎に興味があって来場した人ばかりだが、28もの蔵が様々な商品を造っていることを知るのは初めて。人吉・球磨の土地の自然や蔵での仕込み風景を伝える映像も流され、来場者は旅するように蔵をめぐった。
蔵元との対話を楽しみ酒談議にも花が咲く。来場者の滞在時間は長く、ブースの前を人が途切れることはなかった。熊本出身だという女性は、日ごろから球磨焼酎を楽しもうと料飲店へ出かけるが、「いろいろなものを置いていないのが不満」だという。今回のテイスティング会には友だちを誘い参加。「これだけの蔵を知ることはファンになるきっかけになる」と語った。中年男性の一人は、米焼酎はすっきりしているが辛いものだと決めつけていた。それが「甘い」。ある来場者は、球磨地方独特の酒器、ガラとチョクに興味津々。ミニチュアのような杯=チョクが、焼酎を割らずに生(き=ストレート)で楽しむために使うものだと知り驚いた。
来場者に対するアンケートも実施。球磨焼酎蔵を現地に訪ねるツアー参加者の募集も行った。球磨焼酎酒造組合青年部の高橋昌也部長は、「球磨焼酎に興味がある人にセグメント(同質グループ化)されているので、一度飲んでいただければ、今後も飲んでいただけるはず」だと手ごたえ十分。開場に際しては、「焼酎ブームのなかで、コメは流行に乗れなかったが、本当に美味しくて、最も料理に合う。お気に入りを見つけ愛飲いただきたい」と呼びかけた。
2日目21日は、流通・料飲店関係で約200人、マスコミ関係で約60人が来場。出展内容は同様だが、2フロアに分け、馬肉のくん製なども用意した。流通関係者も「レパートリーの多さ」に驚く。「球磨焼酎はアピールがヘタ」との苦言も。「多くの語るべき宝を持っているのに、それが伝わっていない」。今回のような取り組みを続けること、また実需につながる流通との距離を縮めるよう助言もし、課題の克服へ期待を込めた。