全国卸売酒販組合中央会は、昨年末に開催した臨時総会で平成21年度の事業計画を取りまとめた。同中央会は次年度、酒類販売業者としてのあるべき姿と社会的責任を広く行政、製造者、小売業者および消費者に対して発信。さらには、公正取引に向けて環境整備を図るとともに酒類における市場原則の確立に早急に取り組んでいかなければならないことを強調し、公正取引の推進については次の方針で取り組むとしている。
【公正取引の推進】
(1)新取引制度の完全実施=平成17年1月にビールおよび発泡酒のオープン価格制度への移行を踏まえ、卸売業界として仕入価格に販売経費および適正利潤をオンするいわゆる「コストオン方式」による新取引制度の定着を図っていくこととし、生販三層を通じた酒類の価格体系は大幅に改変されることとなった。
中央会としては、新取引制度が酒類の価格形成過程をより透明化し、酒類流通市場の健全化に資するところが大きいとの立場から完全実施に向けて今後とも卸売業界挙をげて取り組んでいくものとする。
また、新取引制度は卸売業として真に果たすべき機能は何かを問う仕組みであることを踏まえ、あるべき卸機能を不断に検証しつつ、その強化とコスト削減の方策を求めるとともに、検証の結果を自社基準の策定やその適時適切な見直しに反映させていくものとする。
(2)新指針の定着=国税庁より平成18年8月に発出された「酒類に関する公正な取引のための指針」において“1”酒類の財政物資および致酔性飲料としての配慮がより強調されていること“2”多種類の商品を扱っている小売業者が他の商品の販売による利益を酒類の廉価販売の原資とする販売方法は弊害が大きいと断じたこと“3”全事業者が的確な需給見通しに基づき適正生産が必要であるとしたこと“4”優越的地位にある者の濫用行為をより具体的に明示したこと--などが盛り込まれ、取引先実態調査の積極的展開とあいまって、公正取引の推進に向けた国税当局の強い意思が伺えるものである。
また、新指針は公正取引の実現に向けて中央会がメーカーや小売業界に対して永年に亘って主張してきた内容そのものであることから、卸業界一体となって新指針の定着に向けて最大限の努力を傾注していくものとする。
(3)独占禁止法、酒類ガイドラインなどの遵守=公正取引委員会より平成12年12月に発出された「酒類の流通における不当廉売、差別対価等への対応について」(以下「酒類ガイドライン」)を受けて、中央会においても平成13年2月に「酒類卸売業の公正な取引のための基本的な考え方」を策定するとともに、引き続き酒類ガイドライン遵守推進本部を中心に、公正取引の推進に向けて積極的に取り組んでいくものとする。
また、中央会として公正取引実現のため、現在国会において継続審議となっている独占禁止法改正案の一日も早い成立とその厳正な運用を要請するものである。