酒販政治連盟・全酒青 酒販店の生活維持 困難

 全国小売酒販政治連盟は11月26日、東京目黒の全国酒販会館で「街の酒屋の生活権を求める総決起大会」を参行し、大会スローガンの実現を期しての決議を採択し、政治・行政へ強く訴求することとした。

 「街の酒屋の生活権を求める総決起大会」は全国小売酒販政治連盟と全国小売酒販青年協議会の共催によるもので、全国から170人の酒販店代表が参集した。このような大規模な決起大会は酒類小売免許方針における需給調整要件の撤廃反対運動以来のことだ。今大会には自民党、公明党、民主党から多数の国会議員が出席した。

 大会の冒頭で四十万隆・全国小売酒販組合中央会会長があいさつを行い、「酒販業界は8万7000人の組合員の街の酒屋の苦境をどうしても打開しなければならない。平成10年から20年にかけての10年間で酒販免許場は40%も増加し、組織小売業の新規参入の影響などで、平成10年~20年8月までの間に、倒産・転廃業は5万3997件に達し、自殺・失踪が152件にのぼっている。これを大きな社会問題と言わずに何と言うのか。規制緩和の法律が酒類業界の競争実態を一変させて、小規模の酒販店は倒産・廃業に追い込まれた。酒類販売市場は過当競争、売場競争が行われている。これをどうしても政治、国会議員のお力をかりて苦境を救っていただきたい。そこで、今後「100万人の請願署名運動」を展開し、ぜひ成功させたい」と強調した。

 次に来賓のあいさつが行われ、津島雄二氏(自民党税制調査会会長・街の酒屋さんを守る国会議員の会最高顧問)が「今から40年前に戦後初めて酒税増税が行われ、その当時は酒販業者が20数万人いたが、今は隔世の感がある。フランスでは薬店が酒店より多く、専門性が求められている。無茶苦茶に競争させればよいということではいけない。酒類には公正な取り引きが大事で、何が何でも安ければよいというのは間違っている。致酔飲料は気をつけて嗜んでもらうことが必要で、致酔飲料を扱う業界は制度などの再編成が必要と思っており、これをはっきりと約束する。国民本位の秩序を作らなければならない」と述べた。

 田中和徳・街の酒屋さんを守る国会議員の会会長は「酒屋の利益と国民の利益は一致するとの考えで対応したい」と述べ、秋元司参議院議員も「酒類関係の議員立法の制定と独占禁止法の強化改正が必要」と語った。

 ここで街の酒販店の経営実態と問題点について、青森県の佐々木洋子さん、富山県の荒瀬暢子さん、大分県の丸田俊和氏らが極めて厳しい酒販店の経営実態などを訴え「ビール類の販売価格がとにかく乱れているので、早く直して欲しい」「ビール、清酒の仕入れ価格に差が有りすぎる」「公正取引委員会が不当廉売で注意しても、またすぐに安売りするのを、なぜ注意しないのか」「インターネットで酒類販売は絶対中止すべきだ」「行き過ぎた規制緩和、免許緩和は早急に廃止すべきだ」などの要望が出された。

 【決議】我々酒類小売業者は、国の規制緩和政策による酒類小売業免許制度の法改正が行われた結果、酒類販売場の急激な増加によって、営業基盤の脆弱化、経営困難からの廃業倒産を余儀なくされ、経済的に窮地に追い込まれ自殺者も多数出るに至っている。

 酒類小売業界の現状は、少子高齢化等による飲酒人口の減少から総需要は減少の一途をたどっており、今日までの行き過ぎた規制緩和によって、供給者である酒類小売業者は平成9年度と規制緩和後の平成20年度を比較するとおおよそ販売場数は1・4倍の20万場超となるも、内廃業者は5万5000人にも及んでいる。その一方で、未成年者飲酒や飲酒運転、アルコール依存症等の社会問題が多発しており、酒類販売管理等に係る社会的要請への対応が強く求められている。

 このままでは、中小零細酒販店は淘汰され、街の酒屋として地域社会に果たしてきた役割を考えると、酒類業界のみならず国民生活に影響を及ぼす問題になると認識するところである。

 ここで全国の酒類小売業者が一致団結し、酒類産業の健全な発展と公平な取引環境の整備に努力するとともに、未成年者飲酒防止・飲酒運転根絶等の社会的要請に応えつつ、政治・行政への強い働きかけ等を行う事を本大会の総意として次の事項の実現を期するものとする。

 (1)このままでは酒販店の生活は維持できない。今後、これ以上の酒販店の倒産・廃業、悲惨な自殺者を阻止しなければならない。酒販店の生活権と経営維持のための環境整備を求める。

 (2)現在の酒類の価格格差では街の酒販店は生き残れない。酒類の取引価格は、公正かつ合理的基準に基づく価格設定を要望する。

 (3)現行の「酒税法」、「酒類業組合法」の二法を見直し、酒税保全のみならず酒類の特性等も勘案し、社会的管理をも包含した国民の健康、公共の福祉に資する新たな法制度の構築を要望する。  以上、決議する。 平成20年11月26日

 街の酒屋の生活権を求める総決起大会スローガン

 一、国民の適正飲酒を啓発するなら国は、適正生産を遵守させろ。

 一、何故、街の酒屋は倒産廃業が増大しているのか。国は、酒販店の実情を把握し、経営維持の対策を。

 一、酒販免許制度はこれでいいのか。国は、社会的管理をも目的とした新たな法制度を作るべき。

 一、酒類の公正市場の確立を早急に望む。国は、格差社会を黙認するな。

(掲載日:2008年12月05日)

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