【鳥取】サントリーは11月10日、今年3月26日から本格稼動している「サントリー天然水(株)奥大山ブナの森工場」の見学会を、専門紙記者団を招き開催した。
同工場は、伸長する同社ミネラルウォーター事業の西日本の新たな生産拠点として稼動したもので、最新鋭の設備・技術による徹底した衛生管理のもとでペットボトル容器成型から充填包装・品質管理に至るまでを一貫して行っている。
見学会の中で徳田昌嗣工場長は、「当工場は、奥大山の大自然の中にあり、環境に配慮した工場となっている。今年3月から操業を開始、最需要期である夏期が過ぎ、ようやく需給が落ち着いてきた。今日は自然との共生を実現した当工場に触れてほしい」とあいさつ。同工場の概要について、見学を交え次のとおり説明した。
【自然が育む水】「奥大山ブナの森工場」は、「南アルプス」「阿蘇」に次ぐ第3の天然水工場となる。同社では、第3の天然水工場の土地を探し求め、この“清らかなる水のふるさと”鳥取県の奥大山に辿りついた。大山隠岐国立公園の中央にそびえる中国山地の最高峰・大山の南壁から岡山県の県境に至る地域・奥大山は豊かな自然と清冽な水があふれている。
奥大山は、深いブナの森に囲まれた森の王国で、その森の下に天然水が眠っている。汚染される可能性の少ない自然環境と降雪量の多さに支えられた豊富な水量。大山に降った雪や雨は、豊かなブナの森に蓄えられ、水はブナの葉に受け止められ、幹を伝い、根元からゆっくり地中に染み込んでいく。
大山は、百万年も前に噴火形成された巨大な成層火山の上に、およそ2万5000年前に成長した巨大な溶岩ドームが重なってできたもの。ブナから地中に染み込んだ水は、黒雲母や角閃石などを含む火成岩を主とする地層に浸透する。
つまり大山の水は、樹木と地層によって磨かれた、まさしく“自然が磨いた水”といえ、同社ではそれを同工場名でも示している。
【自然との共生を目指す】「森を守る」ことは「水を守る」こと。同社では水源の周囲に9万坪の保全地を所有するとともに、水源地近くに44万坪の「天然水の森」を設定し、涵養活動を実施して水質と安全性を守り続けている。
また工場も、自然共生型の工場として、“1”環境にやさしく「LNG(液化天然ガス)の使用」=地球温暖化につながるCO2や大気汚染の原因になる窒素酸化物、硫黄酸化物の排出量が石油や石炭に比べて非常に少ないこのエネルギーを使用している“2”自然の力を利用「雪室」=この地に降る大量の雪を、冬場のうちに雪室に貯蔵し、その冷たいエネルギーを夏場の空調や生産設備の冷熱源に利用している“3”エネルギーを再利用「蓄熱システム」=生産工程で出る排熱を集めて蓄えておき、休日や空調用温熱源に利用している――などの取り組みを行っている。
【自然をそのまま商品に・製造工程】同工場では、ペットボトル容器成型も行い、国内最軽量となる2lペットボトルなど省資源を考えた容器を採用している。
天然水の生産工程は、「原水」→「濾過」→「殺菌」→「ボトリング」→「検査」。地中から汲み上げた水は、空気に触れることなく、孔の大きさが非常にきめ細かいフィルターを通って徹底濾過される。その後、自然のおいしさを損なわないよう、医薬品レベルともいえる高度な無菌環境を保つクリーン・チャンバーでボトリングを行う。
こうして出来あがった水が「サントリー天然水・奥大山」。硬度20の飲みやすい軟水で、同社では「阿蘇の水が硬度60で“まろやか”、白州の水が硬度30で“すっきり、そして奥大山の水が硬度20で“やわらか”」と表現している。
ブナの森が育む天然水。それを生み出す工場。そこは同社の天然水のキャッチコピーどおり、「人間の手ではつくれない~山の神様がくれた水」を体現していた場所であった。