日本酒造組合中央会主催 市場変化へ即応

  【福岡】日本酒造組合中央会は10月29日、福岡市の県中小企業振興センターで、全国の本格焼酎メーカー関係者を対象に研修会を実施した。単式蒸留焼酎業人材育成研修の一環で、九州のメーカーを中心に約70人が参加。ブームが終息し、製造・販売施策の真価が問われる状況下、講師の話に耳を傾け、課題克服の道を探った。

 冒頭、中央会・髙橋利郎理事が、「単式蒸留焼酎を取り巻く市場は、事故米(事件)や経済不況などで厳しくなっている。将来へ向け安定した市場構築が求められ、そのためには環境変化に対応できる人材の育成が重要だ」と、研修会開催の主旨を語った。

 当日の講演は、本紙営業兼業務本部長・角田大介の“最近の本格焼酎業界の動向と課題”をはじめ3題。“景品表示法と公正競争規約”((社)全国公正取引協議会連合会・事務局長常任理事・小久保榮一郎氏)や、“中国における酒類・食品に関する知的財産権保護の現状と対策”(中倫律師事務所上海事務所・中華人民共和国弁護士・日本外国法事務弁護士・方新氏)についても聴講した。

 本紙角田本部長は、現場取材からブームを検証し、現状を分析。市場の将来展望と課題を示した。ブームがピークに達した平成15酒造年度と直近19酒造年度(19年7月-20年6月)の本格焼酎の出荷を比較し、全体では12%増となり、なかでも芋焼酎は92%増とほぼ倍増しているが、他原料は15年度実績に届いていないと指摘。甲乙混和焼酎の市場侵食にも触れ、トップブランドは今年20万石突破、総市場では40万石に達すると予測した。今後の販売量について、国民の生活防衛意識の高まりから、さらに拡大する見通しも示した。

 好調だった芋焼酎についても、今秋は“新焼酎”の売り場が激減するなどの変化が見られる。“売れていた”ブーム下での施策を大転換することが迫られ、提案型の営業展開や、流通変化に即応しセルフの売り場への対応も急務だとした。情報発信機能の強化も不可欠。競争激化で値崩れが懸念されるなか、本格焼酎の大きな強みだった利益商材としての価値を維持するよう重ね訴えた。

 景品表示法は、一般消費者の利益確保と、公正な競争の確保が表裏一体となったもので、「消費者が適正に商品・サービスを選択できる環境を守るためのもの」だと説明。“嘘つき表示”など問題表示を例示し、業界に消費者目線での適切な表示を求め、事業の浮沈にかかわる消費者の信頼確保を強調した。

 中国は、知的財産権保護の問題もあり、海外からの進出を難しくしているのが実情だ。知的財産に関する法は整備されているものの、その保護については「深刻な問題があり30点」と方新氏。問題が起きてからの権利回復も可能だが、相当の時間とコストを要することから、権利者があらかじめ侵犯されない防御策を整えておくことが現実的だとした。商標や特許、意匠の権利化は日本国内の法律事務所を通じ可能で、グローバル化する市場のなかでは、ブランドの守り方を知ることが重要だと語った。

(掲載日:2008年11月10日)

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