酒中連 酒税の大幅減税の実現を 

 酒類業中央団体連絡協議会(加盟・日本酒造組合中央会、日本蒸留酒酒造組合、ビール酒造組合、日本洋酒酒造組合、全国卸売酒販組合中央会、全国小売酒販組合中央会、日本ワイナリー協会、日本洋酒輸入協会)は、9月下旬に自民党など与野党はじめ財務省、国税庁などに「平成21年度の酒類業界の酒税関係統一要望書」を提出した。酒中連の統一要望書の要点は、早急な全酒類についての酒税減税、酒類産業の健全な発展のための措置などが訴求されている。なお、各団体からも関係酒類の大幅な酒税減税などが要望された。

 <第1・酒税の減税要望について>

 (1)平成18年度の税制改正では酒税法の改正が行われ、その内容は税率の見直しに止まらず、酒類の分類および定義の改正にまで及ぶもので、その意味で画期的なものであったが、酒類には依然として極めて高率・高額な酒税が課されており、個別間接税が課されていない他の品物・サービスに比べて、突出した税負担となっている。

 (2)今日の酒類業界の現状は“1”酒類の需要が飽和状態にある中、出荷は伸びず販売競争は激化を極め、加えて、経済の自由化、規制緩和の進展などによる激しい価格競争から最終的に消費者が負担すべき税の転嫁が困難となっており、酒類業者が実質的に負担せざるを得ない事例が増大してきている。これは、間接税の本旨からみて極めて問題だ“2”また消費者は酒類の価格に極めて敏感に反応し、増税による価格上昇は消費を減少させる大きな要因で、酒税収入の減少をもたらすおそれがある--このような状況を総合的に勘案してもらい、酒類業者の経営の改善を図り、酒税収入を安定的に確保するため、早急に減税を行ってもらうよう強く要望する。

 (3)消費税の見直し時の酒税の減税要望について“1”平成元年の消費税の導入に際しては消費税との負担を調整するとして酒税の減税が行われた“2”平成9年4月の消費税引き上げの際には、酒類業界としては消費税の増税に見合う酒税の減税を要望した。しかし、平成9年度の自由民主党税制改正大綱は「個別間接税のあり方については、将来における消費税のあり方をもにらみつつ、適切な調整を含めて総合的に検討するものとする」として今後の検討課題とし、消費税の増税に見合う酒税の減税は見送られた“3”平成17年12月、与党税制改正大綱のなかでは「消費税を含む税体系の抜本的改革を実現させるべく、取り組んでいく」と述べている--今後、仮に消費税率の引き上げを行う場合には酒税制度の見直しを行い、大幅な酒税の減税による負担是正を図ってもらうよう強く要望する。

 <第2・酒類産業の健全な発展のための措置について>

 (1)現行の酒類関係法体系は今日まで法体系の基本的見直しは行われていない。酒類は高率・高額な税負担をしている重要な物資であるとともに、アルコールを含む飲料であること、また、酒類産業は中小企業が多いことなどに鑑みれば、財務省設置法がその任務として「酒税の保全」に加えて「酒類産業の健全な発達」を揚げたことは誠に時宜を得たものと考えられる。ついては行政組織法上の改正に合わせ、その実体法としての現行酒類関係法体系について、時代の要請を踏まえ、免許制度など現行の必要な制度を堅持しながら、酒類産業の健全な発展により資するべく、酒類事業法制定を含めて再検討されるよう要望する。

 (2)酒類販売業免許制度は酒類製造免許制度とともに酒税制度の根幹をなすものであり、また、先進諸外国においても酒類の製造と販売については社会的管理の必要性という観点から、わが国より厳しい規制がしかれている。近年、わが国においては政府の規制緩和政策との関係から、酒類小売販売業免許における需給調整要件が廃止となり、人的要件の強化などの策が講じられたが、酒類販売業免許制度は酒税の保全の観点からはもとより、公共の福祉の面、すなわち酒類の社会的管理の必要性との面からも必要不可欠の制度である。今後はWHOの勧告にもある国際的整合性のある制度構築と、適切な運用基準が示されるよう要望する。

 (3)行政機関は変容しつつある酒類流通市場の状況を的確に把握するとともに、公正な酒類市場の確立への一層の調査・指導の充実を要望する。

 (4)不当廉売、差別対価、優越的地位の濫用などの不公正な取り引き行為を課徴金適用の対象とすることなどを盛り込んだ独占禁止法改正法案が本年3月に国会へ上程されたが、同法案はその後、実質的な審議が行われることなく、現在に至っている。多くの中小事業者が抱える酒類業界が不当な取り扱いを受けることのないよう、今国会において同法案の一刻も早い可決・成立を図ってもらうよう要望する。

 <第3・貸し倒れに係る酒税の還付制度の創設について>

 今日の酒類市場は需要が飽和状態にある中で消費不況の影響を受け、出荷は伸びず、販売競争は激化を極めており、加えて近年の政府の規制緩和策の推進や消費者の低価格志向を反映し、市場は価格競争一色となっている。このため酒類業者の経営は製造業者、販売業者ともに押しなべて悪化の度合いを高めており、極めて憂慮すべき状況。

 このような酒類業者の経営悪化の影響を受け、酒類販売代金の貸し倒れの発生も高水準となっており、今後さらに増えることが懸念される。酒類はその価格に高額な酒税を含んでおり、貸し倒れが発生したときの酒類業者の受ける痛手は、中小零細業者が多いこともあり、極めて大きいものがある。現在の法制度では酒類販売代金が回収不能になったとき、その代金に含まれる酒税については、還付規制がないため結果的に酒類業者が負担せざる得ないことになっている。

 わが国の間接税の中で、消費税、石油ガス税、軽油取引税には貸し倒れに係る税の還付制度が設けられているが同じ間接税でありながら、酒税にこの制度が認められていないのは極めて不公平だ。ついては、酒類販売代金が回収不能になったときの酒税について、酒類業者に新たな負担を強いることのない形で還付制度を創設してもらうようお願いする。

(掲載日:2008年10月03日)

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