【鹿児島】事故米めぐり提訴へ--。9月17日、鹿児島県酒造協同組合(鹿児島市、本坊喜一郎理事長)が、三笠フーズと農水省を提訴する、具体的検討に入ることが明らかになった。
同組は現在、傘下全113社の組合員に対し、麹用原料米の仕入れ先について詳細な回答を求める独自調査を行っており、その結果がまとまり次第、「緊急理事会を開催し、三笠フーズおよび農水省を相手にした訴訟を起こすよう提案する」(同組・吉野馨専務理事)と明言。理事会での機関決定を経て、弁護士を選定、提訴に向けた協議に入るとしている。深刻な風評被害が懸念される事件について、何ら謝罪のない農水省に対する憤りは大きく、司法の場において責任追及するスタンスを固めたものだ。
同組が、今後の対応策として緊急理事会の協議事項に上げているものは、三笠フーズに対しては、①謝罪広告②実質的損害を受けたメーカーに対する損害賠償③風評被害に対する損害賠償--。農水省に対しては、①風評被害を被っている本格焼酎が安全である旨のコメント②風評被害に対する損害賠償--について。全組合員が風評被害を受けたことを証明する方法の検討も進め、農水省への損害賠償提訴が難しい場合には、監理監督の不履行を糾(ただ)す訴訟も視野に入れる。
また被害を受けた他業界と共同で行動することも選択肢の一つだとしている。
「農水省は、どうして工業用が加工用に転用されたのか、徹底した真相解明に努めるとともに、事実を正確に発表する必要がある。現段階で、不正転用について農水省のコメントはなく、どのように風評被害を食い止めるか等について具体的な提案をしていただきたい」(同組・吉野専務)。9月12日開催の同組理事会では、農水省に対する批判、三笠フーズの抜き打ち検査を行わなかったのはなぜなのか、などの疑問が続出したという。
事故米に関わる原酒や商品は、健康に影響がないことが検査実証されているが、甚大な風評被害を被っているし、将来的な経営へ閉そく感も漂い始め、何ら対策を講じない、国への苛立ちが募っているのが実情だ。
提訴を含めた手段を取ることについては、「鹿児島県産の芋焼酎、黒糖焼酎が安心安全であることを消費者の方々に理解していただくため」(同)だと説明。「組合員113社を守る義務がある」(同)との決意も示した。