荻田ビール酒造組合会長語る ビールの大幅減税実現期す

 8月1日付でビール酒造組合の新会長代表理事に就任した荻田伍氏(アサヒビール社長)は8月19日就任後、初の記者会見を行い、会長就任の抱負とビール業界がかかえる重要な課題に最大限の努力を尽くすと語った。その中で「ビールの魅力と楽しさを消費者に提案して需要の活性化に取り組む」と強調した。ビール業界の重要な課題では今後の抜本的な税制改革の機会を逃さずに「ビール酒税の大幅減税実現」に取り組む。発泡酒の減税にも同時に取り組んでいく。ビール需要振興を目指すための“ビールデンウィーク”の来年度開催は現在、検討中だ。

 荻田新会長は冒頭のあいさつの中で「現在経済状況は原油、穀物などの資源価格の高騰により消費者マインドが大幅に悪化し、個人消費にも悪影響が及び、また、景気の先行きに不透明感もある。消費者の生活防衛意識が顕在化しつつあると認識しているが、これらの影響がビール業界にも及んでおり、幸い好天に恵まれた7月単月のビールの課税移出数量は前年比103・3%と前年を上回ったことは有り難いが、1-7月累計数量では前年比94・5%と前年を下回る結果となった。ビール業界を取り巻く環境は依然として厳しいものの、付加価値の高い商品の開発、おいしい飲み方などの情報提供を継続しながら、1人でも多くの消費者にビールの魅力を伝えてビールファンになって頂くよう努力を継続していきたい」と延べ、「今回のビール類の値上げ、価格改定は全体としてスムースに移行した」と語った。ビール酒造組合として、この1年間に取り組むべき大きな8項目の課題と基本方針を次のとおり述べた。

 ■公正取引と市場問題

 ビール各社は健全な酒類業界の実現に向けて平成18年8月に国税庁から発出した「酒類に関する公正取引のための新指針」を受けて、自主ガイドラインの遵守・徹底を行政、業界各層の理解、協力を得ながら継続して取り組んでいく。

 ■ビール酒税と税制

 ビールには永年にわたり極めて高率・高額な酒税が課せられてきており、消費者の負担は極めて高いものになっている。その水準は国内のほかの酒類や諸外国のビールと比較しても極めて高い。平成18年5月の酒税改正時に減税されたものの、その減税額は350ml缶1本当たり0・7円と極めて小額で、依然として高い税負担率は解消されていない。今年6月27日に閣議決定された「経済財政改革の基本方針2008」においては「消費税を含む税体系の抜本的な改革について早期に実現を図る」とされている。ビール業界としてはその機会を逃すことなく「ビールの大幅な減税」の実現に取り組んでいく所存だ。発泡酒の減税の実現についても同時に取り組んでいく。ビール・発泡酒の需要の振興、喚起には「酒税の減税」が第一の要件と考えており、大幅な減税を強く訴求していく。また、現行規制で酒税の上に消費税を課している「タックス・オン・タックス」は全くおかしい。税金に税金を課す国はないので、将来の消費税改正の際に、これを是正してもらいたい。これらを含めて、ビールなどに対する酒税の大幅減税を訴求せざるを得ない。

 ■ビール需要振興対策

 ビール酒造組合加盟5社は昨年からビール需要振興策の一環として「ビールデンウィーク」を展開している。今年はその中で“ビアフェス2008”を5月30日から3日間開催し、需要喚起に対する5社の取り組みを全国各地に情報発信でき、ビールの魅力を再認識してもらえた。来年度の展開は今年の結果をもとに現在検討中だ。

 ■アルコール関連問題

 近年、未成年者飲酒をはじめとするアルコール関連問題への社会的な関心が高まっており、ビール酒造組合は最重要課題の一つとして取り組んでおり、未成年者の飲酒防止に関する酒販店などの店頭での取り組みをさらに強化している。アルコール関連問題は、国内だけでなく世界的にも注目されており、本年5月の第61回WHO総会において「各国の事情や文化を考慮し、アルコールの有害な使用を低減するための世界的戦略草案を、2010年の第63回WHO総会で作成すること」が決議された。この決議は世界的に見てバランスが取れており、建設的で問題の解決に有効であると考えている。会員各社は今後ともこの課題を酒類業界に携わる者の社会的責任と考え、盛会戦略草案の策定に向けて、関係省庁やほかの酒類団体との連携を深めて必要な対応を真摯に取り組んでいる。

 ■消費者の安全・安心対策、ビール原料の品質向上、醸造技術の向上と国際化

 消費者の安全・安心への関心にこたえるため、品質の維持・向上と安全性の確保を需要な課題として取り組み、国産ビール大麦の優良品種の開発・導入を図る。

 【取り組むべき8項目の課題】  “1”国税庁新指針を踏まえた公正な取り引き環境構築に関する各社の取り組みをサポートする。“2”高額なビール酒税の大幅な減税を実現すること。“3”「STOP!未成年者飲酒」プロジェクトを推進するとともに本年5月に行われたWHOの総会で採択されたアルコール問題に関する決議の内容を踏まえ、世界戦略草案の策定に取り組む。“4”業界としてビール需要振興策を推進する。“5”経団連の環境自主行動計画に引き続き参画し「3R推進に係る自主行動計画」の推進に取り組む。“6”お客さまの安全・安心のための取り組みを一層強化していく。“7”ビール原料の品質向上に引き続き取り組む。“8”醸造技術の向上と国際化を継続して推進する。

(掲載日:2008年08月29日)

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