全国小売酒販組合中央会は7月7日役員会で新会長に四十万隆氏を選任したほか、懸案となっていた副会長に松田武(大阪)、脇田捷治(京都)、安部英明(北海道)、下山登(青森)の4氏を選出した。四十万新会長は7月11日、酒類業界専門紙記者と記者会見を行い、会長就任の抱負と今後の中央会運営の方針などについて次のとおり語った。
■四十万会長 私は5月22日の中央会通常総会で会長に推挙され、7月7日の新役員会において正式に会長に就任したが、酒類業界、通販業界が大変な時に会長という大役に就任し、多くの方から、心配や激励をいただき恐縮している。決意を新たにして、クリーンな中央会、新しい中央会を作り上げていく覚悟だ。酒類業界、個々の酒販店が酒類を通じて社会貢献するためには健全運営を確保することが大事で、それにはどうするかを十分検討することが必要でもある。中央会の各委員会は何をするかをわかりやすくしたので、みんなの意見や考えを聞いて対応していきたい。私は平成17年に藤田前会長の下、年金問題の担当副会長ということでやってきた。酒類業界の抱える重要課題は、種々の規制緩和の進展による人口の減少、世帯構造の変化の中で、新たなる経営環境などへの取り組みや社会的管理への要請に応える施策が必要になっている。時代の流れとともに法律や規制が変わることで、その業界の浮沈にかかわると言われているが、小売酒販業界はまさにその業界といえる。中央会の平成20年度事業方針は第55回通常総会で承認を得た。酒類販売の秩序形成と酒類販売管理研究の定着を目指し、さらに公正取引の環境整備とルール強化を図り、国民消費者の適切な飲酒環境整備に向けた組合活動を通じて組織の再生を図ることを重点政策にしていく。
対処方針についての要旨を次のようにあげた。
(1)平成18年8月国税庁長官より「公正な取り引きへの新しい指針」を発出され、平成19年度に不公正な取引方法である不当廉売、差別対価、優越的地位の濫用といった行為類型などへの罰則強化が図られ、課徴金を科す独占禁止法改正案が、平成20年3月11日に閣議決定された。本年は成立するであろう課徴金制度などを実行性のあるものにするため、委員会、国税庁そして政治にも働きかけていく。
(2)酒類小売業免許制度に対する販売管理研修の実施団体としての組合機能と研究内容の充実を図り、未成年者飲酒防止、飲酒運転撲滅全国キャンペーンを実施し、国民消費者の適切な飲酒環境整備を推薦していく。
(3)平成19年9月に出した「小売酒販における組合組織再生と賦課金の有り方」の提言書についても、小売酒販組合、都道府県連合会と意見交換をはかりながら共通項の方向性を探り、統一性を推進するためにも、地域組合組織の適正規模や賦課金の整合性を求め、統合・合併、事務委託管理も視野に入れて組織の再生を図っていく。
また、この方針を実行するために、委員会の名称を一部変更。酒販制度対策委員会、市場・公正取引対策委員会、組織再生・組合加入推進委員会、年金問題・訴訟対策委員会、飲酒環境・社会対策委員会、総合政策委員会を設立し、青年会から2人入ってもらい、担当委員が専門分野ごとに研究活動を行う。
特に、飲酒環境・社会対策委員会では全国の青年会と共に全国キャンペーン酒シンポジューム、酒セミナーの開催を行っていく。これは酒の免許者全体(他の協会・団体)にも呼びかけ実施していく。中央会の痛恨の痛みである酒販年金問題については、クレディ・スイス銀行に対して損害賠償請求を行っており、この訴訟を通して回収に全力をかけていく。また、アメリカウエストネバダ社への貸付投資についても出来るだけの回収を図り、その投資責任の追及を行っていく。