国税庁鑑定企画官室発表 清酒製造場が35場減

 国税庁鑑定企画官室は平成19酒造年度(平成19年7月-20年6月)における「清酒」「本格焼酎・泡盛」「果実酒」「地ビール」の酒類製造概況を発表した。これによれば、清酒の製造場は全国で35場減少し、1357場で清酒が生産された。その中で、清酒製造見込数量は前年度に比べ5%程度の減産と見込まれており、酒質は軽快ですっきりとしたものが多く見られた、としている。また、本格焼酎の製造見込数量は、ほぼ前年並みとみられ、果実酒の製造数量もほぼ前年並みか微減とみられている。

 ■平成19酒造年度酒類製造概況

 <清酒>

 (1)概況=在庫調整や販売不振を理由に廃業または休業となった製造場が見られたことから、全国で35場減の1357の製造場で清酒が製造された。製造見込数量は地域により増減の違いが見られたが、全体としては5%程度の減少が見込まれている。各地域の製造場では地域独自の酒造好適米や、酵母を活用した地域ブランドの開発を目指したり、純米酒などの付加価値の高い清酒の製造に力を入れる傾向が見られた。また、仕込体験や酒蔵開放の実施により、消費者に清酒の知識や良さを知ってもらうとともに、関心を高めてもらうといった試みも引き続き行われた。

 (2)気象条件=酒造の最盛期に当たる1月から2月に寒冷な気候が安定して続き、酒造に適した気象条件となった。

 (3)原料の状況=入荷状況は全国的におおむね順調で、価格は酒造好適米で昨年度よりも安くなる傾向が見られたが、一般米は昨年度と同程度で推移した。性状については全国的に硬く、もろみで溶けにくい傾向が見られた。用水は特に問題は見られず、一部の地域において井戸水の水量が徐々に減少する事例が見られた。

 (4)造りなどの傾向=酒造の最盛期に当たる1月から2月にかけて、寒冷な気候が安定して続いたことから、もろみの醗酵が順調に推移したところが多く見られた。しかし、原料米が硬く、もろみで溶けにくかったことから、出来上がった清酒は酸やアミノ酸が少ない軽快で、すっきりとした酒質となるところが多く見られた。

 (5)労務状況など=杜氏組合所属の蔵人の高齢化や後継者不足のため、杜氏以外は地元採用の通年雇用社員やパート従業員へ移行する製造場が増えている。また、経営者の子弟が直接製造に従事する事例も多くなっている。今後、酒造技術の継承を、いかにスムーズに行うかが重要な課題となっている。

 <本格焼酎・泡盛>

 東京局、福岡局、熊本局および沖縄国税事務所管内の本格焼酎製造場については、稼動製造場数が前酒造年度から3場増えたが、製造見込数量は、ほぼ前年並み。

 原料別で見ると、甘藷および麦は前年並み、その他の原料については減少傾向が見られた。

 原料の入荷状況は全ての原料でおおむね順調に推移した。また、性状については、おおむね良好だが、輸入麦や泡盛の原料であるタイ砕米で価格の上昇が見られ、甘藷や黒糖も価格が高止まりしたままだ。

 製造状況については九州地域では麹や原料、蒸留などを多様化し、個性のある製品を造ろうとする動きが広がっている。また、沖縄県では横型の蒸留器の使用や冷却ろ過を取り止めるといった精製工程の見直しなどにより、味わいを重視する傾向が見られるほか、乾燥酵母を使用する製造場が増えている。

 蒸留粕の処理については、陸上処理への移行が着実に進んでおり、海洋投入される量が減少してきている。残った海洋投入についても、陸上処理へ移行が進むよう今後も力を入れていく必要がある。

 <果実酒>

 製造数量は、ほぼ前年並みか微減で推移している。原料ぶどうの入荷状況は降水量が多く病気の発生が見られた一部の地域を除き、おおむね順調。性状は天候の影響により、地域間でばらつきが見られたが、おおむね良好。

 製成酒は全体としてライトタイプの飲みやすい酒質との傾向が見られたが、専用品種を使用したものの中には、原料特性といった個性を打ち出す工夫がされていた。

 <地ビールなど>

 地ビールおよび発泡酒の稼動製造場数は前年に比べ20場近く減少した。製造見込数量は一部の製造場で販路の拡大や缶容器の利用などの工夫により、増やしたところがあったが、多くの製造場では減少傾向が続いている。そのような中で、季節限定商品や厳選した原料を使用した、こだわり商品などの製造に力を入れる製造者が見られた。また、発泡酒では地域の特産品を使用した特長のある製品の開発に取り組むところが増えている。

(掲載日:2008年07月04日)

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