JR・阪神・阪急・地下鉄が交差する三宮駅から徒歩10分、下山手通りに面したホテル「ザ・ビー神戸」1階に4月8日からオープンした『神戸プレジール』は、食の安心・安全を打ち出すJA全農兵庫の直営レストラン。
「社会的に食品の産地偽装などが問題になっているなか、JA兵庫だからこそできる、仕入れた生産者・生産地のはっきりした神戸ビーフ・但馬牛や、兵庫県産・国産の新鮮な野菜を食べてもらうことで、そのおいしさ・存在に目を向けてもらい、さらにはゆっくり食事をしながら飲む、食べる楽しみを感じてもらえるよう工夫しています」と木村文信支配人が語るように、同店にはさまざまな創意工夫がこらされている。
まず店内は、港町神戸に似合う洗練されたモダンな雰囲気で、席のスペースもぜいたくに使い、心地よいプライベート感を大切にしている。個室も5~8人用3部屋が予約制・無料で利用でき、食事を終えた後にくつろぎながらデザートやお酒が楽しめるサロンもある。
そして同店の大きな特長は、兵庫県産食材の情報発信基地であることだ。神戸市からは「神戸ビーフ」の、兵庫県からは県認証食品の普及という要請を受け、採算を度外視してでも食材はすべて兵庫県産・国産で、牛肉は神戸牛と但馬牛だけを使用。中でも県産品の野菜については毎月旬の食材を利用し、サーブの時に必ず産地を説明する。そのことで本当の神戸ビーフ・県産野菜を食べているという信頼感が深まると同時に、食べる時に目で見て味で感じ、食材への理解も深まることになる。何より、その信頼が味わいを引き立たせる要素になっているから、来店者はより食事に「おいしさ」を感じるのだろう。
またエントランスでは、その日に使用する肉や野菜の生産者などをPCモニターで表示するほか、通路には県産食材をはじめ、丹波栗を使用した栗焼酎、淡路島の特産玉ねぎを仕込んだ玉ねぎ焼酎などの特産品も展示・紹介している。
さらにもう1つの特長は、地産地消をテーマに、県産品を代表する酒造好適米・山田錦を使った清酒や灘の酒の普及にも力を入れていること。アルコールの注文も、“肉”をメインにしたメニューでありながら、ビールに次いで清酒がよく飲まれているという。その理由は、鉄板焼だけでなく、しゃぶしゃぶ・せいろ蒸しのコースを加えているためだ。
「肉の調理について“焼く=鉄板焼”“煮る=しゃぶしゃぶ”“蒸す=せいろ蒸し”という3コースを用意しました。しゃぶしゃぶやせいろ蒸しのコースをご注文下さるお客さまは、ワインより清酒をよく飲まれます」。肉料理とともに清酒を楽しむという難しい問題に、試行錯誤しながらも取り組んできた成果が実際に現れ、木村支配人の言葉にも力がこもる。特にせいろ蒸しは新しい調理法で、テーブル席を利用して会話を楽しみながら食事をしたい客に人気。また利用客には接待目的が多く、食材が保障されていることはもちろん、ワンランク上に設定されたコンセプトのため落ち着いた雰囲気が守られていること、駅から近く車の必要もないため、アルコールを安心して飲めることなどを考えれば、それもうなずける。
今後の同店の展開について、木村支配人はいろいろなことにチャレンジできる可能性があると楽しげに話す。「農作物直売所などは全国にありますが、JA全農兵庫としても、食材を食べてもらった消費者の反応を直接見ることができ、情報発信ができる新しい試みだと思っています。今後、旬の食材を利用するだけでなく、例えば期間限定の食材フェア開催や日本酒の飲み比べセットメニューの追加などで、今以上に飲食してもらうことができるはずです。多くの人に利用してもらうことで、啓もうと消費の拡大を図っていきたいですね」。