日本蒸留酒酒造組合は5月9日、日本工業クラブで「第36回通常総会」を開催し、平成19年度事業報告および決算報告を承認した。通常総会と総会後の懇親会で、大宮久理事長は次のとおりあいさつを行った。
■大宮理事長
(1)平成19年度は酒類業界にとって租税特別措置法による中小酒造業者に対する酒税特例の延長という大きな課題があり、与党の税制改正大綱では連続式蒸留焼酎も合成清酒も5年間の延長が認められたが、その改正法案の成立が翌年度にずれ込んだというかつてない経験をした。連続式蒸留焼酎、合成清酒の製造業者の大半が中小零細企業であり、酒税の軽減措置を受け入れている企業は連続式蒸留焼酎が78%、合成清酒が85%にものぼっている。この機会に中小特例措置の意義を改めて考え直して、企業の体質強化と健全な経営基盤の構築に向けた取り組みを要望したい。
(2)近年は少子高齢化による飲酒人口の減少に加えて、酒類の原材料費の高騰が酒類企業の経営を圧迫し、規制緩和の結果として販売競争の激化を招き、酒類業界は大変厳しい状況にある。その中で、蒸留酒業界は国税庁の「酒類の公正取引新指針」に基づく連続式蒸留焼酎、合成清酒の校正競争の取り組みを推進してきたが、各組合員の真摯な取り組みの結果、一定の成果をあげることができた。しかし、ここで気を緩めることなく、まだ道半ばという思いで、さらなる取り組みをお願いしたい。連続式蒸留焼酎、合成清酒ともに販売数量が減少基調にあるが、公正な競争の下で健全な市場を実現し、未成年者飲酒防止、飲酒運転の禁止というアルコールに係る諸問題に適切に対応できる業界を目指したい。
(3)蒸留酒酒造組合は今年も組合統一PRを展開して連続式蒸留焼酎の需要開発に努め、蒸留酒の市場維持と発展へ努力したい。関係行政、酒類販売業界など来賓各位には連続式蒸留焼酎と合成清酒の良さを改めて見直していただき、ぜひとも蒸留酒の活性化にご協力をお願いする。
(4)最近、消費者の「食の安全」への関心がこれまで以上に高まってきており、これを受けて政府は「消費者庁」を新設の方向で検討されており、“食”をめぐる数多くの規制が一元化されて管理の目が今まで以上に届きそうだ。酒類は致酔性という特性から酒税法と酒類業組合法によって規制されているが、酒類が新設される消費者庁とどのような形で係ってくるのかは現時点では不明だが、酒類は単なる食品の一つではなく“致酔飲料”であるということを強く認識して検討を進めていただきたい。酒類の安全・安心については酒類の製造工程などの管理の徹底化を蒸留酒組合員にお願いしたい。