平成19酒造年度の新酒の出来栄えを競う「全国新酒鑑評会」の審査結果が5月20日、独立行政法人・酒類総合研究所より発表された。今年は第Ⅰ部(原料米として山田錦以外の品種を単独または併用、あるいは山田錦の使用割合が原料の50%以下で製造した吟醸酒)に129点、第Ⅱ部(原料米に山田錦を使用)に828点の合計957点が出品され、入賞酒487点、入賞酒の中で特に優秀と認められた255点を金賞酒として選出した。
同鑑評会は昨年同様、独立行政法人酒類総合研究所と日本酒造組合中央会の共催で開催されている。審査は、予審が4月22日から24日の3日間、決審が5月8日から9日の2日間にわたって行われ、487点の入賞酒と255点の金賞酒を選んだ。
5月22日には、広島県立産業会館(広島市南区)で製造技術研究会が開催され、全国各地から酒造関係者が集まった。同日、酒類総合研究所の品質安全性研究部門の岩田博部門長が記者会見を行い、今期の酒造条件については「例年の暖冬傾向とは異なり、酒造最盛期に寒冷な気候が安定して続き酒造に恵まれた年だった」とし、原料米は「九州の一部で台風の影響を受けたところがあった以外、全国的にほぼ問題なく、作況指数も『99』の平年並みだった。ただ、山田錦を中心とした酒造好適米は生育期に高温が続き、米質が硬くなり原料処理などに苦労する製造場もあった」と語った。
出品状況については、「全体では957点で昨年より24点減少したものの、第Ⅰ部については昨年より11点多い129点で過去最多の出品となった。特に、『美山錦』『千本錦』『越淡麗』の出品が多く、『越淡麗』は昨年より4点増え12点の出品があった。また、今年初めて『富の香』で造れらた酒が初めて出品された」と、原料米の多様化で地産地消の流れが定着し、日本酒の多様化が進んでいる現状を強調した。
今年は「酒造条件に恵まれ、例年以上に香味の調和した穏やかな酒質のものが多かった。香りは、さまざまな清酒酵母の特長を生かした酒質の多様化・個性化が認められ、上立ち香の豊かなものから穏やかな芳香が口中に上品に広がるものまで変化に富んでいた。また、味は気候や米質を反映し淡麗ですっきりしたタイプのものが多かったが、豊醇で重厚さを感じられるものも見られ多様だった」と評価。一方、「一部の酒については寒冷な気候や硬い米質のため、米の溶解が十分に進まず、味のうすい酒質のものが見られた」と指摘した。
なお、6月11日には東京・池袋のサンシャインシティで「公開きき酒会」が開催される。