公正取引委員会が今国会に提出している独占禁止法の改正案のポイントは、経済情勢の変化、物資・商品の需給アンバランス、企業間競争の激化などに対処し、独占、不当廉売、差別対価、不当表示、優越的地位の濫用など不公正な行為に対して新たに課徴金の支払いを命ずることにしたもので、不当廉売や不当表示などの行為を取り締まり、歯止めをかけることになった。今までは独占禁止政策上では、カルテル行為、入札談合などに対してのみ課徴金を課していたが、課徴金の対象を拡大することにしたものだ。今回の独占禁止法改正案の要点は「課徴金の対象となる行為類型の拡大」「主導的な役割を果たした事業者に対する課徴金の加算」「課徴金納付命令などの係る除斥期間の延長」「消費者団体訴訟制度の導入」などだ。
■課徴金の対象となる行為類型の拡大
(1)排除型私的独占=▽違反行為者の対象商品などの売上額×6%(小売業2%、卸売業1%)▽ガイドラインの作成による要件の明確化。
(2)不当廉売、差別対価、共同の取引拒絶、再販売価格の拘束(同一の違反行為類型を繰り返した場合)=類法行為に係る商品などの売上額×3%。(小売業2%、卸売業1%)
(3)違反要件の法定化=(例)不当廉売…正当な理由がないのに、供給に要する費用を著しく下回る価格で継続して販売することであって、他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがあるもの。(例)差別対価…不当に、地域または相手方により差別的な対価をもって、商品または役務を継続して供給することであって、他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがあるもの。
(4)優越的地位の濫用=▽違法行為に係る取引相手との取引額が1億円以上となる場合が対象▽経済上の利益を提供した取引先との取引額×0・5%▽違反要件の法定化…押しつけ販売、経済上の利益を提供させる行為(協賛金、派遣店員)、受領拒否、支払い遅延など
(5)不当表示(景品表示法)=▽課徴金の対象“1”対象商品などのつき1億円以上の売上+“2”表示が事実と異なること(またはそのおそれが著しく高いこと)を認識▽対象商品など売上額×3%。
■消費者団体訴訟制度の導入
▽不当表示(景品表示法違反)を対象として一定の消費者団体に差止請求権を認める▽消費者契約法などの一部を改正する法律案として提出。