【新潟】清酒「朝日山」を醸造する朝日酒造(長岡市、平澤修社長)は3月15日、「第8期あさひ日本酒塾」の第4回目の講義および、卒塾式を行った。
今回は、まず上越教育大学の茂手木潔子教授が「<めいめい>が活きる日本の音文化~酒屋唄の魅力~」と題して、酒造りの現場で歌われている酒屋唄を歌舞伎と比較。「歌舞伎の楽器は、おのおの違う音が響いて一つになっている。酒屋唄もそれぞれの声質の人が集まるからこそ、唄に力強さがある」と、めいめいの個性を一つにまとめて良さを引き出す、日本文化の特長を述べた。
続いて、同社元専務の嶋悌司氏が講義を行い「宴会などで盃を受けるとき、酒だけではなく相手の気持ちも一緒にいただいている。酒とは気持ちであり、心だ。私たちは皆さまの心に替わるものを造っている。1000円の酒だからそれなりのものを造る、というのではうまくいかない。いかなる場合でも全力で酒造りをしなくてはならない」と、酒造りに対する心構えを述べた。
講義を終えた塾生たちは今まで学んだことをまとめ、卒論を発表。「國酒であるにもかかわらず、あまり飲まれていない。TVCMなどでもっとアピールすべき」など、日本酒の需要開発に対する考えや、「ぜひ0カロリーの日本酒を造って欲しい」と同社に対する要望なども披露された。
今回の講義で、昨年10月から半年にわたり行ってきた「蔵見学」「酒造り体験」「ぐい呑みづくり」などの全カリキュラムを終了。参加した18人全員が無事卒塾式を迎えた。
卒塾式では、はじめに松井塾長が「これからも、酒を通していろいろな人と出会ってください」とあいさつ。修了証が授与された。続いて、平澤社長が祝辞を述べ「我が社のこと、日本酒のことをもっと知って欲しい、という思いから同塾を始めた。最初は参加者が来ないんじゃないか、と心配したこともあったが、今回8回目を迎え今までで約100人の人たちが卒塾した。この塾をきっかけにして、各地で日本酒の良さを伝えて欲しい」と、卒塾者たちに日本酒の需要開発の一翼を担って欲しい旨を伝えた。塾生代表の山本拓志さんは「社員の皆さまのていねいで誠意ある対応に感銘を受けた。こうした社員の人たちの姿勢がおいしいお酒を造ることにつながっていると感じた」と、答辞を述べた。
また、卒塾した塾生たちは「話を聞くだけではよくわからなかった酒造りが、現場に入って体験することでよく理解できた」「日本酒の魅力をまわりにもっと発信したい」「以前はただ飲んでいただけだったが、これからは考えながら日本酒を飲みたい」などの感想を語っていた。
今後、塾生たちはOB会「千楽の会」に入会し、これからも米作りなどで日本酒に係っていく。