【東京】長崎県・壱岐の島の麦焼酎「壱岐っ娘(いきっこ)」醸造元の壱岐焼酎協業組合(長崎県壱岐市芦辺町、篠崎修代表理事)は3月3日、東京都千代田区の霞ヶ関ビル・東海倶楽部でマスコミ対象の会見を開いた。首都圏での販売拡大など同社の今後の営業施策について説明するもの。メインブランド「壱岐っ娘」を「古来より伝わる焼酎製造の技を厳格に守りながら新技術をとりいれた“壱岐焼酎”」だとアピール。今回の説明会を皮切りに、「4月から首都圏での販売拡大を強化する」と表明するとともに、「(同圏での)売上げ20%増を目指す」との目標値も掲げた。
会見には同社篠崎代表理事、原田穎一理事(製造担当)、東京営業担当(東京連絡所所長兼経営企画室室長)馬上知宏氏が臨席。イタリアワインに精通したソムリエとして著名な林茂氏も同席し、壱岐焼酎の魅力を語るとともに、同社商品の試飲会も催した。
玄界灘に浮かぶ壱岐の島は、麦焼酎発祥の地だと説明。弥生時代、麦や米が伝来し、穀倉地帯を形成。16世紀ごろに大陸から伝わった蒸留技術を生かし、課税の厳しい米ではなく、麦で造ったのが壱岐焼酎の起源だという。
壱岐焼酎と他地区麦焼酎との大きな違いは、麦麹を使わず、米麹を使うことにある。原料の大麦は3分の2、米は3分の1という伝統的仕込配合で醸される。加えて、島内の水で仕込み、島内で蒸留・容器詰めを行う条件を満たしたものが、壱岐焼酎と称すことが許されている。壱岐焼酎は平成7年、WTOトリプス協定に基づき地理的表示が認められ、ワインのボルドーやブランデーのコニャックなどと同等に、その産地が保護され、「世界の銘酒の仲間入りをした」(同社)。
同社は1984年(昭和59年)、地元酒造メーカー6社の協業化で設立。翌85年に「壱岐っ娘」の販売を開始し、現在は単式蒸留焼酎、リキュール、清酒を販売している。2007年の焼酎の販売量は4230石(761・4kl)、前年度比1・9%増--の状況。
「壱岐っ娘」は、仕込み水に玄武岩で磨かれた地下130mの自然水を使用。さらに自家製酵母にこだわり、伝統製法を守りながらも、新技術(低温発酵と減圧蒸留法)を駆使することで、「さわやかな味と香りを引き出し、クセがなく、気品のある麦の香りを楽しめ、女性にも飲みやすい焼酎」--となる。昨年にはモンドセレクション銀賞も受賞した。
「壱岐っ娘」のラベル制作には、アースウィンド&ファイアなど海外ミュージシャンのレコードジャケットを斬新なイラストでデザインする壱岐生まれの長岡秀星氏を起用。インパクトのあるラベルデザインが商品のアピール力を高めている。
同社は焼酎市場の現状を、「ビール大手各社の参入で競争激化しているが、麦焼酎のシェアは約半分を占め、産地性の強みを活かした商品には根強い人気がある」と分析。翻って、同社の地区別出荷構成比は九州67%に対し、関東は14%に過ぎず、「関東地区で伸びる余地が大きい」と判断した。
そこで、「壱岐焼酎の魅力を分かりやすく伝えるため、初の試みとして平成20年度から『壱岐っ娘』を中心としたプロモーション活動展開を開始する」方針。徹底的なローラー作戦で市場へのブランドの普及・浸透を推し進める考えだ。
20年度中の具体的施策予定として、①販売酒販店の間口拡大対策(4月にキャンペーン実施、関東一円で新規取扱い100店舗以上)②都内飲食店への拡販策(5月から、都内繁華街<神田、新橋、上野>での営業強化、3つの街で各15店舗以上の扱い店拡大を目指す)③扱い店における店頭キャンペーン(9月実施、『壱岐っ娘』購入条件でのクローズドキャンペーン)④オープン懸賞の実施(10月、新聞・雑誌・WEBなどで告知。賞品は壱岐招待や特産品。知名度アップ策の第1ステップと位置づける)⑤百貨店での試飲会強化(20年度中10カ所の開催目標)--など挙げた。
結果、20年度の同社焼酎の販売量を、全国で4440石(799・2kl、前年度比105%)、首都圏で710石(127・8kl、同120%)--にまで拡大する計画だ。