【熊本】日本酒の蔵元、朝凪酒造(「朝凪<あさなぎ>」醸造元、福岡県久留米市、久保山泰社長)が2月12日~14日の3日間、熊本市内の百貨店「くまもと阪神」で恒例の“荒走り・量り売り”を行った。蔵で使うタンクをそのまま売り場に据えつけ、目の前で樽へと垂れ落ちる新酒の生原酒を量り売りするもので、同店での企画は3年目を迎えた。
「年々ファンが増えている」とは同社常務・樋渡繁夫さん(62)の弁。タンクは769l。さながら“出張蔵開き”。一際目を引く演出のために、一人でタンクを移動させる台車を考案するなど、8年ほど前から、お客さんの目には触れない汗をかきながら、独自企画の量り売りを続けてきた。
今回試飲即売した日本酒は、福岡県の酒造米・夢一献を仕込んだ純米吟醸の生原酒。コメは蔵元が田植えや稲刈りなどに関わったもの。搾り日は同月10日。まさに、搾ったばかりの生酒(きざけ)を持ち込んだ。
自然、タンクの前で足を止めるお客さん。タンクを酒で満たし、毎日1合飲んで、なくなるまでに何日かかるか、というクイズも用意した。試飲への流れもスムーズ。樋渡さんは、「お刺身状態のお酒なんですよ」と説明。「包装のまま冷蔵庫の野菜室で寝かせれば、お酒がとても丸くなります。来年の元旦の楽しみにされては」と、“自家熟成”の楽しみをアドバイスする。実践のお客さんは喜び、なかには50本のまとめ買いをする人もいるという。日々、季節ごとに表情を変える日本酒の魅力を満喫しているのだろう。
この企画での量り売りを、いまは九州の百貨店、スーパー6店、酒販店2店で展開中。売り場に立つから、「消費者の声がもろに聞ける」。お客さんの感動を肌で感じる。汗が報われる。