日本酒造組合中央会 全国評議員会を開催 20年度需要開発活動決定

 日本酒造組合中央会は2月6日、今年度第2回目の「全国評議員会」を開催し、平成20年度(20年4月~21年3月)の組織運営委員会、制度・社会対応委員会、需要開発委員会、焼酎事業委員会などの各委員会の事業計画案を了承するとともに、清酒業界当面の重要問題、課題について意見、要望が交換された。しかし、平成20年度の中央会会費徴収案(平成18年5月からの酒税法改正により清酒から除外されたリキュールなどを会費の対象とする改正案)が了承されたので、3月の中央会臨時総会に付議することになった。清酒業界の最重要課題である需要開発委員会の平成20年度事業計画案も原案通り承認されたので、全力をあげて清酒の需要の回復と拡大に注力することになった。

 評議員会での要望としては、兵庫県の小西新太郎氏が「需要開発対策の一環としての地方イベントへの助成では、柔軟な運営と連合会組織の府県では、傘下単位組合も実施主体として助成を願う」と希望した。

 中小酒造業者に対する租税特別措置法第87条の期間延長と改正案の成立がねじれ国会の影響で懸念されている、との質問に対して淺見副会長が「われわれは、あくまで租特87条の年度内成立を確信している」と語った。

 辰馬中央会会長はあいさつの中で、清酒業界の最重要課題である「清酒の需要開発」問題について次のとおり述べた。

  【辰馬会長】

 清酒の需要動向は残念ながら減少が依然として継続しているが、純米酒はほとんどの月で前年を上回り、最近の消費者の純米酒志向がうかがわれる。また、180mlの小容量びん商品やカップ酒が手軽なおみやげ品、贈答品として購入されるなど新しい需要も見受けられる。小容量びんなどは手数がかかるが、こうした新しい需要の芽は業界が大切に育てていかなければならない。

 今後の清酒の需要開発対策などについては、消費者の視点に立ったものが必要で、消費者の嗜好の変化、多様化に対応してさまざまなタイプの清酒の提供、さらには健康志向の流れに沿って、日本酒ときどき水(和らぎ水)や湯煎燗酒のすすめ、日本酒のペリエ割りのすすめなど清酒の多彩な特質を生かしたPRを展開していく。さらには女性のための「Osakeスクール」などを通じて、新しい日本酒ファン層の掘り起こしに努めるほか、海外マーケットや在日外国人にも日本酒の文化と魅力を発信していく。

 最近の清酒の需要減少傾向を見ると、次代の清酒の需要を担う青年層対策や料飲店対策が喫緊の課題となっており、これらに焦点をあわせたセミナーを地方イベントとして開催し、その効果的な実施方法を十分検討したい。日本酒フェア、地方イベントを日本酒の需要振興に効果的に結びつけることが必要で、業界の英知を結集し“底打ち宣言”につなげていきたい。

 なお、行政当局から一部の蔵元について製造年月の表示が適切でない、という事例が指摘されているが、今後かかる事態が生じないように社内でのコンプライアンスの徹底をお願いする。皆様には「良い品格の酒造りにまい進」「消費者の目線に立った需要開発」「コンプライアンスによる適正な表示」「社会的責任への対応」をぜひお願いしたい。

 【平成20年度 需要開発委員会事業計画(案)】

 <基本的な考え方>

 (1)新しい日本酒ファン層の掘り起こしと、日本酒愛好者のさらなる深耕に努める

 (2)品質管理・提供方法など日本酒の持つ商品特性を正しく消費者まで伝達するため、流通業界および料飲業界などに対する広報活動に努める。

 (3)これらの事業について、中央会としての活動を強化するとともに、各組合および各企業との役割分担を明確にし、効果的な実施に努める。

 <事業計画の概要>

 (1)需要開発活動=平成20年度の需要開発活動は国際的に「クールジャパン」(かっこ良い日本)と言われる日本文化のかっこ良さの重要な要素が日本酒であること、すなわち「日本酒はかっこ良いもの」「粋なもの」ということを再認識することが、重要なポイントであると認識し、次のような活動を展開する。

 ▽「日本酒の粋な飲み方」の実践のための研究に取り組むとともにその普及を図る…上手な日本酒の飲み方、使い方などを広くアピールするため、例えば漫画の活用を検討する。

 ▽日本酒の商品特性(品質・多様性)の訴求と、飲用方法・飲用機会などに応じた楽しみ方を提案する…“1”多様化する日本の食生活の中における日本酒のさまざまな楽しみ方の提案“2”日本酒のタイプ別情報の整理を進める“3”日本酒を使用したリキュールやカクテルの楽しみ方を紹介“3”日本酒飲用時における「和らぎ水」の普及に努める。

 ▽日本酒などの幅広い機能性を訴求するとともに、健康情報の整備伝達を図る…“1”健康について、メタボリックシンドロームなどに対する適切な健康情報を研究する“2”日本酒は飲用のみならず和食を含め調理に大いに役に立つこと、ごはん、味噌汁をはじめ各種の料理にごく少量活用すれば極めて効果的であることなどを“1ccキャンペーン”(仮称)としてアピールする“3”美容についての有効性を強調する“4”酒粕の活用などをより広く訴求する。

 ▽流通業界、料飲業界および日本酒をサービスする立場の人々などに対して、新しい日本酒の楽しみ方や正しい品質管理と提供方法などに関する啓もうを行い知識の普及に努める。

 ▽イベントなどを活用し、日本酒の楽しさを周知し需要喚起に努める…“1”「全国きき酒選手権大会」を実施、展開しながらマスコミなどに対して日本酒の話題を提供する“2”中央と各地方が統一した意識のもとで、地方イベントなどを実施する。特に青年層や女性など新たなファン層を開拓し、日本酒についての正しい知識の普及を図るとともに日本酒の需要回復に努める“3”酒類総合研究所との共催にかかる「平成19酒造年度全国新酒鑑評会公開きき酒会」を含む「日本酒フェア2008」を実施する。

 ▽「日本酒の粋な飲み方」のパンフレット、小冊子などのツールを開発・作成し、各種イベントなどを通じて、流通業者・料飲店・消費者などへの幅広い配布を図る。

 ▽日本酒スタイリストを起用して「Osakeスクール」などを開講して、日本酒の文化性・ファッション性を訴求し、幅広い日本酒の楽しみ方・味わい方を提案する。

 ▽日本酒の国際化を促進するため「海外戦略の企画、検討の場」を設置し、国際化のための活動を積極的に進める。

 ▽「日本酒で乾杯推進会議」と連携して、「日本酒で乾杯」の運動を推進するとともに、国際行事(海外、国内)などを通じて、鏡開きなどにより日本酒文化を紹介する。

 ▽「女性企画担当者連絡会議(仮称)」を設置し、先進事例などの情報交換を図る。

 (2)広報活動=日本酒の正しい理解を得るための広報活動の強化に努める。

(掲載日:2008年02月15日)

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