全国卸売酒販組合中央会は昨年末の臨時総会で「平成20年度の事業計画」を決定し、その中で酒類卸売業界の事業における最重要課題である酒類の公正な取引環境の整備と市場原則の確立への取り組みによる経営安定と適正な利益確保に注力することとしているが、卸業界の最重要問題である酒類の公正取引の推進に対しては、次の方針で対処するとしている。
【酒類公正取引の推進について】
(1)新指針の定着=国税庁より平成18年8月に発出された「酒類に関する公正な取引のための指針」(以下新指針という)については、①価格形成における酒類の財政物資および致酔性飲料としての配慮がより強調されていること②多種類の商品を扱っている小売業者が、ほかの商品の販売により得られる利益を投入することで酒類の廉価販売を継続する販売方法は弊害が大きいとしたこと③全事業者が的確な需給見通しに基づき適正生産が必要であるとしたこと④取引上優越した地位にある者の濫用行為をより具体的に明示したことなど、長年にわたり中央会が主張していた事項が多く盛り込まれており、新指針の趣旨に沿った取引実態調査の実施と合わせて、公正取引の推進に向けた国税当局の強い意思が伺える。中央会としては、酒造業界、小売業界などに対してあらゆる機会を通じて公正取引の要請などを行ってきているが、今後とも新指針の定着により、公正取引が一層推進するよう努力を傾注していくものとする。
(2)新取引制度の完全実施について=平成17年1月から、ビール・発泡酒のオープン価格制度への移行を踏まえ、卸業界として仕入価格にコストおよびマージンをオンするいわゆる新取引制度の定着を図っていくこととし、生販三層を通じた酒類の価格体系は大幅に改変されることとなった。中央会としては、新取引制度が酒類の価格形成過程をより透明化し、酒類流通市場の健全化に資するところが大きいとの立場から完全実施に向けて今後とも最大限の努力を傾注していく。
また、新取引制度は卸業界が真に果たすべき機能が何かを問う仕組みでもあることを踏まえ、あるべき卸機能を不断に検証しつつ、その強化とコスト削減の方策を求めるとともに、検証の成果を自社基準の策定やその適時の見直しに反映させることとする。