アサヒビール 2008年事業方針 収益構造の改革を

 【東京】アサヒビールは1月8日、2008年事業方針説明の記者会見を開催した。

 冒頭、荻田伍社長は「昨年は厳しい環境変化の中で、ビール類以外は前年並みを維持したが、ビールは箱数で計画に届かなかった。今年は、大きな環境変化が昨年以上にあるので、第3次中期経営計画の締めの年として、しっかりとした計画を立て、さらに良い商品を売りたい。中期経営計画をしっかり乗り切り、2009年へとつなげたい。今年の大きな問題は、18年ぶりのビール類の値上げだ。私が懸念としているのは、流通業者が『ビール類を売ってももうからない』と言っていることで、これを何とか改革して、生販3層が『もうからない』から『もうかる』ように全員で努力したい。今回の値上げはこれに向けての良い機会となる。適正な利潤を得られるようなサイクルを構築できるよう、酒類業界を発展させたい」と今年の抱負を語った。

 【2007年度の概況】

アサヒビールは昨年、商品を通じて「お客様の満足を追求する」という原点に立ち返り、それぞれのカテゴリーの市場性に応じた施策の実施や、新たな価値の提案を目指した商品展開を積極的に行った。

 ビールは、主力の「スーパードライ」が昨年3月に発売20周年を迎えたことを契機に、さらなるブランド価値の向上、支持拡大に全社をあげて取り組んだ。その結果、お客様がブランドを選択する際の指標を着実に向上することができ、販売数量も夏場の最盛期以降は缶商品を中心に好調に推移した。「スーパードライ」の年間販売数量は19年連続1億ケース超を達成した。

 発泡酒は、「本生」ブランドの強化と、糖質をゼロとした「スタイルフリー」の提案により、発泡酒市場の多様化に対応したラインアップ構築を進めた。これにより、発泡酒は前年比2ケタ増を達成した。中でも「スタイルフリー」は、年間販売箱数が当初予想を大きく上回る830万ケースとなり、“糖質ゼロ発泡酒”という新たな市場を確立することができた。

 新ジャンル飲料では、リニューアルした「極旨」や新商品「あじわい」によって、麦芽を原料に使用したリキュールタイプ市場の活性化をけん引した。

 その他の酒類カテゴリーでは、基幹ブランドが堅調に推移した低アルコール飲料や、輸入ワインが好調であったワイン部門が、それぞれ前年実績を上回った。中でも、カゴメとの共同開発商品「トマーテ」は、“野菜を使用した低アルコール飲料”という新価値の提案に評価が高まり、両社の目指す“新たな市場の開拓”を実現することができた。

 市場の縮小傾向が続く連続式蒸留焼酎やウイスキーを含む焼酎・洋酒では、前年実績を下回る結果となった。しかし、焼酎では、「かのか」が発売以来14年連続となる2ケタ増の成長を持続。また洋酒では、リニューアルによって勢いを増した「ブラックニッカ・クリアブレンド」が5%増と好調に推移するなど、それぞれの主軸ブランドの成長を実現した。

 【2008年のグループ事業方針】

アサヒビールグループの各事業が、中期経営計画の目標達成に向け着実な成果をあげるため、2008年は、グループのガバナンス体制を酒類・飲料・食品薬品・国際の4事業別の視点で再構築するとともに、「ブランドの育成・強化」「収益構造の改革」「飛躍的成長への投資」の3つをキーワードとしたグループ経営を進めていく。

 【2008年の酒類事業の取り組み】

(1)ビール=昨年推進した「スーパードライ」の販促活動・情報発信によって得られた財産を今年につなげるとともに、プレミアムビールの家庭用市場での強化に取り組む。同ブランドでは、「心理面のベネフィット」を訴求する広告の展開や、それに連動した消費者キャンペーン・店頭販促などを通じ、飲用価値を今一度明確に伝え、“お客様との絆”をさらに深めていく。

 (2)発泡酒=基幹ブランド「本生ドラフト」をリニューアルし発泡酒中核ブランドとしての位置付けを明確にする。また2年目を迎える「スタイルフリー」は、“糖質ゼロ”の特長と雑味のないさっぱりとした味わいの両面を引き続き訴求していくとともに、コミュニケーションを強化し存在感をますます高めていく。  (3)新ジャンル飲料=“うまみがあって雑味がない”クリアな味を実現した新商品「クリアアサヒ」を主力ブランドに位置付け、広告・販促を集中する。「あじわい」は、引き続き“大麦由来原料99・9%”という明確な商品特長を訴求し育成する。

 (4)焼酎=甲乙混和焼酎のトップブランド「かのか」を、ラインアップ展開や発売15周年を記念した大型消費者キャンペーンなどを通じて、さらに愛されるブランドへと育成する。単式蒸留焼酎では、いも焼酎、麦焼酎を中心に、家庭用市場への商品提案、販促提案を強め、連続式蒸留焼酎については、「大五郎」を主体に地域性にあわせたマーケティングを展開する。

 (5)低アルコール飲料=缶入りカクテル「カクテルパートナー」と果汁系チューハイ「旬果搾り」のさらなるブランド強化を進めていく。加えて、カゴメとの共同開発商品第2弾「ベジーテ」を発売し、“野菜使用の低アルコール飲料”市場の拡大を目指す。

 (6)洋酒=国産ウイスキー「ブラックニッカ・クリアブレンド」を今年も重点強化ブランドとするとともに、昨年から展開を本格化させたシングルモルトウイスキーの家庭用市場への提案をさらに進め、家庭用ウイスキーの市場活性、ニッカ・ブランドの強化育成に取り組んでいく。

 (7)ワイン=国産ワインでは「サントネージュワイン」のブランド強化、輸入ワインでは「ローズマウント」「バロン・フィリップ」など重点ブランドの強化育成を中心に進めていく。

(掲載日:2008年01月21日)
関連リンク : アサヒビール

トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.jyokai.com/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/1935


<最近の記事>

  • 3月分全国清酒出荷状況 主産地は軒並み減少

  • 喜多屋が清酒値上げ 福岡県でトップ

  • 愛媛県小売酒販組合連合会 松山で飲酒防止PR

  • 3月分連続式蒸留焼酎出荷状況 3万8千klで前年比12%減少

  • 鹿児島県酒造組合奄美支部 黒糖焼酎の日、初イベント

  • 倉松酒販 日本酒今夏の生商材アピール

  • 藤田・東京小売酒販組合 中央会会長、続投の意向

  • ミツカングループ つゆ類不振で減少 

  • 鹿児島県の生販三層 未成年者飲酒・飲酒運転防止を訴える

  • 5月30日~6月1日「ビアフェス」を開催 ビールを楽しむ週間

  • 当サイトに掲載の記事・写真・図表等の無断転載を禁じます。
    著作権は、株式会社 醸界タイムス社に帰属します。
    Copyright© 2008 The Jyokai Times. All rights reserved.
    個人情報リンクトラックバック