公正取引委員会は、来年の通常国会に提出する独占禁止法改正案の検討を進めているが、今回、独占禁止法の改正の基本的考え方(改正の基本方針)を公表した。
平成17年7月以降、内閣官房長官の下で「独占禁止法基本問題懇談会」(座長・塩野宏東京大学名誉教授)が開催された。同懇談会においては有識者・関係団体・関係省庁などからの意見聴取、改正法の施行状況の報告聴取が重ねられるとともに、平成18年7月には「独占禁止法における違反抑止制度の在り方などに関する論点整理」が公表され、これについて寄せられた意見などを踏まえた議論を経て、平成19年6月に報告書が取りまとめられ、内閣官房長官に提出された。
同委員会は同報告書における独占禁止法見直しに関する提言を踏まえつつ、具体的な法改正の方向性について検討するとともに、わが国経済における公正かつ自由な競争の促進を図る観点から必要と考えられる事項についても検討し、独占禁止法の改正などの基本的考え方について取りまとめた。公正取引委員会としては今後とも各方面からの意見も踏まえ、さらに検討を進め具体的な改正法案などを取りまとめることとしている。
また、独占禁止法基本問題懇談会における法運用面に関する指摘を踏まえ、引き続き適正手続きに配慮し、適切な法運用に努めていくこととする。
<独占禁止法改正の主な基本的考え方>
■独占禁止法違反行為に対する措置の見直し(法律改正事項)
(1)新規参入排除行為・公正な競争秩序に悪影響を与える行為などに対する課徴金の新設=“1”他の事業者の事業活動を排除すること(例えばコストを度外視した価格設定)による私的独占に該当する行為を行った事業者に対する課徴金を導入する“2”不公正な取引方法のうち一定の不当表示や一定の優越的地位の乱用を行った事業者に対する課徴金を導入する。
(2)カルテル・入札談合などに対する措置の見直し=“1”課徴金納付命令などに係る除斥期間(違反行為がなくなってから命令を行うまでの期間の上限)を現在の3年から5年とする“2”課徴金の算定率(原則10%)、算定期間(最長3年)、課徴金と刑事罰の金額調整については、今回の法改正においては見直さない。
(3)課徴金額の加減算要素=カルテル・入札談合などにおいて主導的役割を果たした事業者に対しては、課徴金の算定率を加算するものとする。
■独占禁止法に係る諸手続きの見直し(法律または規則改正事項)
公正取引委員会が行う警告につき、警告の主体、要件、形式、意見聴取などに関する規定を整備する。