アサヒビール(東京・荻田伍社長)は10月25日開催の取締役会において、グループの飲料事業の飛躍的な成長を目指す方針のもと、アサヒ飲料(東京・岡田正昭社長)の完全子会社化を目的とする同社株式の公開買い付けを実施することを決議した。
なお、アサヒ飲料は同日開催の取締役会において、本公開買い付けについて賛同を決議している。アサヒビールでは本公開買い付けおよびその後の一連の手続きにより、アサヒ飲料を完全子会社化することを予定している。
アサヒビールグループは「『食と健康』を事業ドメインとして、アジア地域に、お客様へ『生涯を通じた喜びと感動』を提供し続けることにより、成長性溢れる“リーディングカンパニー”を目指す」ことを長期ビジョンとして定め、現在2007年からの3年間を実行期間とする「第3次グループ中期経営計画」において、グループ全体での企業価値向上に取り組んでいる。
本中期経営計画においては酒類事業の競争力を再構築するとともに、飲料、食品・薬品、国際といったグループ事業については既存事業の成長とともに戦略的な投資を行ないさらなる成長基盤の拡大を目指すものとしている。
特に飲料事業についてはグループ事業の第2の柱として、将来に向けて収益や事業展開規模において飛躍的な成長を目指す方向で検討を行ってきた。
今般グループの経営資源をさらに飲料事業へ重点投下し、柔軟な資本政策によりグループ全体のバリューチェーンの最適化による価値向上や、他企業グループとの戦略的提携や事業取得の機会を機動的に捉えることで、飲料事業全体の競争力強化にスピードを上げて取り組むため、その中核会社であるアサヒ飲料を完全子会社化することとしたもの。
現在、東証第1部に上場するアサヒ飲料の株式を発行済株式総数の51・1%(2691万株)所有し、連結対象子会社としている。同社の全株式の取得を目的に行う公開買い付けの買付期間は2007年10月26日から12月6日まで(29日営業日)となる。買付価格は1株につき2120円、買い付けに要する総額は544億円を予定している。
また、アサヒビールは本公開買い付けによってアサヒ飲料のすべての株式が取得できなかった場合、残りの株式について全部取得条項付種類株式を利用した方式により現金買い取りし、完全子会社化することを予定している。この場合アサヒ飲料は2008年4月下旬を目途に完全子会社化、あわせて上場廃止となる予定。
同社は「国内食品市場では人口のピークアウトを背景に市場の成熟化が進展するとともに、お客様の嗜好は多様化・細分化しており、その競争環境は激しさを増している。こうした中で生き残りをかけた競争力強化を進めるため企業間では、さまざまな合従連衡が起きており、今後、飲料分野においてもその傾向は強まる」と予想している。