キリンビール(三宅占二社長)は10月31日、ビール、発泡酒、新ジャンル酒類および清涼発泡飲料全商品の価格を2月1日から改定すると発表した。
同社は1990年3月以来17年以上の間、生産者価格を据え置いていたが、バイオエタノール需要の増大にともなう食用穀物需給の逼迫、大麦の欧州・豪州の不作、BRICsなど新興国における需要拡大、原油価格の上昇などの影響で主要原材料価格が高騰していることから値上げに踏み切った。
主要原料の市況は次のとおり。
(1)大麦=欧州産の2008年用(2007年産)大麦は春先の高温少雨と収穫期の長雨により2年連続の不作、加えて豪州でのかんばつによる2年連続の不作懸念により、直近では2007年用(2006年産)の平均価格の2倍強まで高騰した。次年度以降、作柄が平年作に回復した場合でも、バイオエタノール需要増大の影響で食用穀物作付面積が増えないという構造変化により、この傾向は長期化すると予想される。
(2)コーン=大麦同様、バイオエタノール需要増大による需給逼迫や、投機資金の流入により高騰している。加えて中国における旺盛な資源需要の影響で海上運賃も過去最高値を更新中であり、2007年用の調達単価は前年比で約15%増となる見込みだ。
(3)アルミ=中国経済の成長などによる需要増に加え、原油やほかの金属価格に比べると割安感があるため投機資金が流入していることもあり、ピーク時には2005年対比で約70%増、2006年対比でも30%増と相場が高騰状況にある。
(4)段ボール古紙=原油価格の上昇や、中国経済の急成長にともない、段ボールの原料となる古紙が中国に流出しており、直近では2006年比で50%上昇している。今後更なる高騰が懸念されている。
サッポロビール、アサヒビール、サントリーも「値上げを検討せざるを得ない」状況だ。
<価格改定の内容>
価格はオープン。今回のキリン値上げは小売価格で3~5%引き上げになると見られる。