【高松】香川県酒造組合(西野信也会長)主催の消費者向け地酒パーティー第18回「呑米(どんまい)フェスティバル」が10月5日、高松市内のホテルであり、参加者約220人が県内7社の27銘柄を味わった。きき酒選手権・講演会・パーティーの3部仕立て。第2部では「大人の食育~讃岐を食べて讃岐を飲む~」と題して地元料理研究家の山中美妃子(みきこ)さんが講演し、洋食化する日本の食事について和食と日本酒の重要性を提言した。
第1部は、全国大会の出場者2人を決める「きき酒選手権」の香川県予選で、参加者が吟醸酒や純米酒など5点を利き当てる競技に挑戦。第3部の地酒パーティーは、会場となったリーガホテルゼスト高松で総料理長を務める佐々木克氏が地元食材を使った料理を提供し、日本酒とのコラボレーションを満喫。西野会長は、あいさつで県産酒をPRした。
講演した山中さんは料理学校の長女に生まれ、自宅で夫婦による「ジュヌヴィエーヴ料理教室」(高松市)を主宰。地元テレビなどで料理コーナーの先生や県食農アドバイザーとしても活躍している。この日は女性客の参加も目立ち、講演でおいしい料理の調理方法や日本酒の上手な使い方にも触れた。
調味料としての日本酒については、みりんが食材の身をしめるのに対して逆に身をやわらかくする特性を述べた上で、魚介・肉の下ごしらえで臭みを消す「酒洗い」のコツを説明し、「キノコも塩と酒だけで十分おいしい」と素朴な味付けの良さを紹介。寿司・刺身・醤油と海外でも注目される日本の食文化については、神様の食事として「御神酒」が祭りや節句の行事食で飲まれ、その時の肴が酒魚、酒菜が和食となっていった日本酒の歴史なども披露した。
来年「オリーブ百年祭」もある地元・香川については「日本一甘い『あまあま文化』」と気候や土壌、人間に育てられる郷土料理の変遷を語り、家庭であまり使われなくなったすり鉢・蒸し器・寿司桶(飯切・半切・半挿)の3点が「和食の味を出す」と伝統的な道具の大切さも講演で強調した。
山中さんは「日本はコメ文化から粉の文化になってしまったが、文化も料理も人間がつくる」と日本酒や和食に期待するエールで締め、会場の拍手を集めた。