ビール酒造組合新会長・佐治信忠氏が会見 ビールの大幅減税実現を

 佐治信忠・ビール酒造組合新会長(サントリー社長)は8月23日、就任後初の酒類業界専門紙との記者会見を行い、会長就任の抱負と今後1年間のビール業界における大きな課題への取り組み方針などを語った。その中で、▽公正な取引推進への各社の取り組みをサポート▽高額・高率なビール酒税の大幅な減税の実現▽ビール需要振興策の推進(ビールデンウィークの開催など)▽未成年者飲酒防止などアルコール関連問題への取り組み--など7項目の重要課題の取り組みに尽力し、ビールの魅力や楽しさを消費者などに提案しビール需要の活性化を図る、と強調した。

 佐治晋会長は冒頭のあいさつに続いて、最近のビール需要動向について「7月の課税移出状況は台風や新潟県中越沖地震の影響を受けたものの対前年比2・3%増加し、1-7月累計では190万1千klで98・2%と前年を若干下回る結果となったが、各社が積極的に提案しているプレミアムビールは、消費者の支持をいただき拡大し好調に推移している。ビール業界を取り巻く環境は依然として厳しいものの、プレミアムビールといった付加価値の高い商品開発、おいしい飲み方などの情報提供を継続しながら、1人でも多くのお客様がビールファンになってもらうよう努力を重ねていく。今年から毎年5月下旬を“ビールデンウィーク”と提唱して5社が連携し、ビールの需要喚起に鋭意取り組んだが今後も業界をあげて積極的なマーケティング活動を展開していく」と述べた。

 次いでビール酒造組合として今後1年間に取り組むべき大きな課題として次の7項目を挙げた。

 (1)国税庁の新指針を踏まえた公正な取引環境の構築に関する各社の取り組みをサポートすること。

 (2)高額なビール酒税の大幅な減税を実現すること。

 (3)「STOP!未成年者飲酒」プロジェクトを推進するとともにWHOの動向を見極め、行政やほかの酒類業団体と連携し自主規制の見直しなどに取り組むこと。

 (4)ビール需要振興策を推進すること。

 (5)改正容器包装リサイクル法に対応し「3R推進に係る自主行動計画」の推進に取り組むこと。

 (6)消費者の安全・安心のための取り組みを一層強化して行くこと。

 (7)醸造技術の向上と国際化を継続して推進すること。

 なお、主な今後の課題についての取り組み方針は次のとおり。

 (1)公正取引と市場問題=昨年8月に国税庁から「酒類に関する公正な取引のための指針」(新指針)が提示され、この新指針の精神を真摯に受け止め、これからも行政および業界各層のご理解を得ながら引き続き努力を継続していく。

 平成17年にスタートした新取引制度も2年半を経過したので、各社は新制度の定着に向けてさらに取り組んで行く。酒類の販売は適正な値段で供給し適正な利益を確保することが大事だ。

 (2)ビールの酒税制度=ビールには長年にわたり極めて高率・高額な酒税が課せられており、その負担水準は国内のほかの酒類や諸外国と比較しても極めて突出している。

 ビール業界はかねてよりビール酒税の大幅な減税を訴えてきたが、昨年5月の酒税改正においてビールの減税が盛り込まれはしたが、その減税額は極めて小額であり依然として突出した税負担そのものについては解消されていない。

 平成17年12月の与党税制改正大綱の中では「消費税を含む税体系の抜本的改革を実現させるべく取り組んでいく」と述べているので、今後とも消費者の期待に沿うべく消費税率の見直し時の対応も見据えて、ビール酒税の大幅減税の実現に全力で取り組んでいきたい。「発泡酒」についても減税の実現を要望して行く。

 (3)アルコール関連問題=近年、未成年者飲酒をはじめとするアルコール関連問題に社会的関心が高まっている。ビール酒造組合は最重要課題の一つとして取り組んでおり、ビール各社は今後ともこの課題を酒類業界に携わる者の社会的責任と考えて、関係省庁・他の酒類業団体との連携を深めて取り組んで行く。

 (4)ビール需要振興策=ビール酒造組合加盟5社は今年から“ビールデンウィーク”の浸透施策として「ビアフェス2007」を5月24~27日の4日間、東京六本木ヒルズで開催した。ビールメーカーが共同でビール市場の活性化への取り組みを進めるのは初めてで、ビール需要喚起への全国的な情報発信ができてビールの魅力を消費者に再認識してもらえた。

 このようなイベントは今後も継続する方針で、来年度の展開は今年の結果をもとに現在検討中だ。

 (5)環境問題=昨年6月に公布された改正容器包装リサイクル法にのっとり、各団体と連携している。ビールびんの回収率は100%、アルミ缶の回収率も全体で90・9%(平成18年度)を達成。今後もこのレベルを維持・向上していく。

 (6)安全・安心への対応=ビール業界は消費者の安全・安心への要求に対応するため品質の維持・向上と安全性の確保を重要な課題として取り組んでおり、国産ビール大麦の優良品質の開発と導入・原料の残留農薬対策・消費者にさらなる安心を届ける農水省起案の「食品安全GAP活動」( 農産物の生産工程ごとに想定される危害要因とその管理手段をあらかじめリスト化し、そのリストを基に着実に実施した上で、それを記録として残す取り組み)を国産大麦・ホップの生産地と連携して取り組んで行く。

 (7)醸造技術の向上と国際化への取り組みの充実=ビール酒造組合の中に設置されている国際技術委員会で“1”ビール醸造技術の向上“2”分析法のグローバルスタンダード化の推進“3”国内外のビール関連組織との交流--を目的として活動を進めていく。

(掲載日:2007年08月31日)

トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.jyokai.com/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/1690


<最近の記事>

  • 若竹屋酒造場 伝える力はぐくむ

  • わんまいる 新年大会「絆」フェスタ

  • 平成20FY酒類消費数量 852万klで2.8%減少

  • 高松小売と県業務用品部会 今年から合同で新年会

  • メルシャン事業方針 2010年は2%増を目指す

  • 11月洋酒出荷 13万7千klで16%増 

  • 明治屋 高島屋大阪店に新店

  • サントリー 国産最軽量2lペットを発表

  • ビール酒造組合 CMの自主基準を強化

  • “広島の酒”東京でPR 「ふるさと祭り東京」に初出展

  • 当サイトに掲載の記事・写真・図表等の無断転載を禁じます。
    著作権は、株式会社 醸界タイムス社に帰属します。
    Copyright© 2010 The Jyokai Times. All rights reserved.
    個人情報リンクトラックバック