【香川】綾菊酒造(綾歌郡綾川町、泉谷武信社長)で7月5日、PB清酒「国重」の熟成具合をチェックする「呑み切り神事」があり、特約販売する国重会(岡田衞人会長)のメンバーら約40人が出来栄えを入念に確かめた。今年1月に新米の香川県産オオセトで仕込んだ吟醸酒は貯蔵タンクで熟成され、まろやかで芳醇な出来栄えや高品質が祈願された。
全国的に人気が高い清酒「国重」は、吟醸のほか純米吟醸、特別純米と3種あり、昨年4月に新発売したコメ焼酎も好評を博しているという。神事には、県内の一般女性グループ「エンジョイさぬき倶楽部(ESC)」のメンバーや有名デパートなど小売店が参加。厳かな雰囲気のなか、蔵内に特設した祭壇に酒を供えて地元・松熊八幡宮の上里宮司ら2人が上々の出来栄えを祈願した。
呑み切りは、江戸時代から昭和初期頃まで冬場に仕込んだ新酒を約60度Cで殺菌して熟成させた「杉桶」の栓を「呑み」と呼んだことにちなんでいる。ホーロータンクなどに変わった現代でも品質や熟成具合を確かめる夏場に実施しており、泉谷社長は「時代が変わっても酒を造るのは微生物の菌。『国重』の爽やかな風味とキレの良さは毎日飲んで楽しんでもらえる」とPRした。
国重弘明杜氏らが9klタンクから酒を汲み出すと芳醇な香りが蔵内に一気に広がり、岡田会長は「今年もまろやか」と出来栄えを絶賛。来賓の全国小売酒販中央会四国支部長で香川県小売酒販組合連合会の多田健治会長も「県内の業務用・料飲市場では『国重』がないと困るほど全国に広がっている。綾菊は県初の酒米『さぬきよいまい』の旨い酒も発売しており、県連としても取り組みたい」と強調した。
国重杜氏は「初呑み切りは、杜氏にとって最も緊張する行事。今年はアミノ酸などに重点を置き、熟成すればさらに飲み飽きしない酒になる」と手応えを語った。