【広島】独立行政法人・酒類総合研究所で6月4日、5日に開催された第30回本格焼酎鑑評会の結果が6月29日に発表された。今年は38都道府県の148場から347点が出品され、前回の337点に比べて10点の増加となった。今年は、米、麦、甘藷、酒粕の出品が増えたほか、原料では、わさびが初めて出品された。
独立行政法人・酒類総合研究所主催の第30回本格焼酎鑑評会の審査が、6月4日と5日に32名の審査員で行われ、6月29日に結果が発表された。今年は、38都道府県の148場から347点の出品となり、場数では14場の増加、点数では10点の増加となり、5年間でちょうど100点増加した。
今年の出品傾向は、原料別に見ると、米、麦、甘藷、酒粕の出品が増加し、泡盛、そば、その他の原料の出品が減少。中でも甘藷は前年より9点増え88点と過去最高を記録。前回と同様に甘藷および麦製の黒麹仕込みも多く出品された。また、わさびが今回はじめて出品された。
製造区分では、酒質の軽快さや飲みやすさを重視した「減圧蒸留区分」が155点(前年度対比102%)、伝統的な香味を重視する「常圧蒸留区分」が130点(前年度対比101%)といずれも前年並みの出展となった。一方、長期貯蔵などの「特殊製品区分」は62点で11%増加し、特に樽貯蔵酒は27点で前回に比べて29%の大幅な増加となった。産地別では、本格焼酎の主生産地である九州・沖縄からの出品が217点と全体の63%を占めた。また国税局別では仙台局、東京局、名古屋局、福岡局、および熊本局からの出品が増加。
酒類総合研究所が発表した、第30回本格焼酎鑑評会「酒質の傾向と今後の課題」(要旨)は次のとおり。
(1)単式蒸留焼酎(本格焼酎)の酒質は、近年飲みやすさを追求して淡麗で軽快なものが主流になって来ており、今回の出品酒においてもその傾向が続いていた。麦製などの主力製品は、品質がよくそろっており、きれいで欠点のないマイルドなタイプが多かった。
今回も前回と同様に、泡盛の特殊製品の香りや味および総合評価の平均点がいずれも良好で、芳香、味丸い、濃醇という特性のものが多くみられた。
(2)泡盛の特殊製品、酒粕製の減圧蒸留製品および泡盛の常圧蒸留製品の原料特性が高いという傾向が認められた。また前回と同様に、減圧蒸留製品と常圧蒸留製品の酒質が近づきつつあるという傾向が認められた。いずれの蒸留法においても、品質の多様化が進行していると思われる。
(3)長期貯蔵酒などの特殊製品は、貯蔵管理技術の進歩により、香味の調和がとれた高品質のものが多かった。特に泡盛の特殊製品において、その傾向がかなり顕著に認められた。
一方、麦製の樽貯蔵酒の一部には原料特性が失われたものや、減圧蒸留原酒の場合、貯蔵年数にもかかわらず香味の熟成が進んでいないものがみられた。したがって、長期貯蔵による熟成方法に関する研究が今後の課題であり、同研究所においても昨年度から基盤研究として取り組んでいるところである。