全国卸酒販組合中央会北九州支部 通常総代会を開催

 【福岡】全国卸売酒販組合中央会北九州支部(北部九州3県、栢正一支部長=福岡県卸酒販組合理事長)は6月8日、福岡市の八仙閣で第32回通常総代会を開催。同日、九州7県の代表がそろい懸案問題について意見交換する全九州卸売酒販組合協議会(栢正一会長=同)の第46回通常総会も開催し、新取引制度をめぐる市場問題を中心に議論を重ねた。

 栢氏は両会冒頭あいさつに立ち、新取引制度に触れ、「(制度への移行後)2年5カ月を経過したが、当初想定の通り、うまくはいかなかった。東京の大手卸が主導したが、イオンと不透明な決着を図ったことで、地方では揺り戻しがあり、帳合変更の問題が起きた」と問題を指摘。

 しかし、チューハイ商品は、「強力なメーカーのイニシアチブと行政指導」によって、制度の主旨に沿った納価改定が実現したとして、「成功事例とし、ビール、発泡酒でも軌道に乗せていかなければならない」と訴えた。公正取引市場の醸成のためには、行政によるメーカーの取引実態調査も有効だと支援を求め、「九州は1つを合言葉に、ここまで努力してきた制度(移行)を後戻りさせないよう、不退転の決意で臨んでほしい」と呼びかけた。

 新取引制度にかかわる各県報告では、隣接県同士で見解の相違も見られた。県境を越え進出する業者に対し、「進出に際しては、その県の“ルール”を守ってほしい」との意見には、名指しされた県が反発。「当県業者が加害者のように聞こえるが」、と前置きし、問題指摘の県の業者が、自社基準ガイドライン無視の取引交渉で、帳合替えの受け皿になっている事例を報告。業者間の疑心暗鬼を取り除くうえでも、実態の正確な把握が不可欠だと迫った。

 「新制度移行後も、価格は底値安定で推移している。疑心暗鬼では道は開けない」との発言も。さらに、メーカーの“凄まじい差別対価”こそが根幹の問題で、取引実態の調査徹底が求められた。これまで生販3層が連携し、比較的安定した市場を維持してきた県からも、「全国系大型量販店の進出で、市場が乱れてきた。自社基準を守りたいが、大手卸の攻勢が強い」との本音がもれた。

 “揺り戻し”が強まっているだけに、今年3月に卸中央会が「酒類ガイドライン遵守推進本部会議」を開催し、“仕切り直し”のスタンスを打ち出したことへ期待が寄せられた。両会に臨席の卸中央会・塩本昇専務理事は、「いろいろな業界がコストオンで動いている気運を逃してはならない」と語り、「粘り強く一つ一つ(問題を)潰していくしかない」との見解を示した。九州にある全国系卸の代表は、「当地で感じる以上に、強い意思で動いている」と語り、中央での本腰の取り組みを代弁した。

 自社基準とはいえ、仕入額に上乗せの“一定率”だけが独り歩きしていることを懸念する声も。中央会塩本専務は、あくまで自社基準に基づく“合理的な価格形成”が望ましく、「自社基準での是正ができない社は退出するしかないのではないか」との言葉も投げかけた。

 自社基準を貫くために、帳合替えにブレーキをかけるような直接的な行政指導を求める声もあったが、臨席の福岡国税局・池田隆満酒類監理官は、「(問題は個々の業者が)自主基準をどれだけ守りきるか(にかかっている)。沈没しないように頑張ってほしい」と答弁。利益確保もないまま、量販至上で流れてきた経営体質の転換を強く求めた。

 当日は、特産の焼酎で「行き過ぎた価格の是正に成功した」話も。今回の焼酎値上げでは、実施即日の納価上げが確認され、「マージンアップ分を流出しないよう」戒める発言も見られた。

 全九州の卸業者が参集し、懸案問題について協議する「全九州卸売酒販業者大会」が今年は、熊本県卸売酒販組合の主管で、9月20日、熊本市内のホテルで開催されることが、あらためて説明された。

 同大会では、“人口減少時代における酒類業界の展望”(仮称)をテーマにパネルディスカッションなども企画。今年4月1日現在、九州7県の卸組合員約130社から、約110人の参加を見込んでいる。

(掲載日:2007年06月19日)

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