【熊本】熊本県卸売酒販組合(36者、池田正三郎理事長)は5月18日、熊本市内のホテルで第54回通常総会を開催し、平成19度予算案(収支1895万4584円)をはじめとする上程の全議案を可決承認した。
監督官庁からは熊本国税局・本田仁酒類監理官はじめ5氏が、全国卸売酒販組合中央会からは首藤壽雄常務理事が臨席。総会冒頭、あいさつに立った池田理事長は新取引制度に触れ、「確実な定着に取り組まねばならない」と強調。「(県産の米焼酎である)球磨焼酎の行き過ぎた価格の是正への取り組み」が奏効し、組合員の利益率アップに貢献したことも示した。
18年度事業報告でも新取引に言及。「ほとんどの取引先において自主ガイドラインを作成遵守した結果、組合員すべてが利益率アップとなった」。同年度販売状況は、全酒類合計で7・5%減と苦戦を強いられ、発泡酒から“第3のビール”へのシフトも顕著<ビール系飲料に占める構成比は▽ビール=54%▽発泡酒=27%▽その他の醸造酒=19%>だった。賦課金にかかわる規約も、ビール系に「その他の醸造酒」を加えたものへ改めた。
経営活性化では、今年3月に熊本局が主催、ワインについて学んだ「経営基盤強化事業支援研修会」を特記。参加者多数で好評なことから、研修会は組合員が触発される企画として、継続開催が強く要望された。なお同年度内に組合員の廃業や合併・営業譲渡はなかった。今年度事業計画では、球磨焼酎を利益商材とする取り組みが定着したことから、新取引の定着推進を図りながら、他種類の利益確保にも意欲を示した。
全九州の卸業者が参集し懸案問題について協議する「全九州卸売酒販業者大会」の今秋第51回開催を熊本県が主管することも報告した。
中央情勢報告では、卸中央会首藤常務理事が状況を説明。“揺り戻し”が危ぐされている新取引制度については、今年3月「酒類ガイドライン遵守推進本部会議」を開催。仕切り直しのためには、コストオン方式による自社基準の見直しが不可欠だとした。自社基準に基づき合理的な取引を行うことは、国税庁発出・新指針の趣旨に適うもので、東京の大手9社も「決意を固めたところでやっている」と語り、完全実施へ行動を求めた。
熊本局本田監理官は、産業行政への思い入れを自らの言葉に込めた。生販3層にわたり、「コスト、適正利潤の確保がなければ、事業は継続できない」と断言。「流通をしっかり持たずに、(製造量を)数倍に増やしたメーカーがないわけではない」とも語り、適正生産も強く求めた。「公正取引によって原価、利潤を確保し、いかに事業継続のスタンスをつくるか」が問われていると問題提起した。
熊本局では本格焼酎の酒税額が約1000億円にもなり、税全体の10%を超える。「本格焼酎が伸びてきたのは、利益商材だったから」と指摘。芋焼酎の値上げにも触れ、「『苦しい卸に(マージンを)厚くしたい』というもの」だとして、自ら利益を流出させることがないよう訴えた。管内産清酒へも配意し、組合が県産清酒の需要拡大を事業目標に掲げたことを高く評価した。
当日は、全国酒類卸売業協同組合熊本県支部、酒類流通問題研究会関係の議案審議も行い、全上程案を可決承認した。協同組合事業では総合保険制度への加入が強く勧奨された。