【鹿児島】田苑酒造(本格焼酎「田苑」醸造元、薩摩川内市樋脇町、有川徹社長)が催してきた「酒蔵サロンコンサート」が、30回開催を達成した。同社が同地に約200年前の酒蔵を移築し建設した“日本初の焼酎資料館”(昭和61年)を会場に、平成4年から春秋恒例で続けてきたもの。
焼酎製造・貯蔵にクラシック音楽の響きを作用させる取り組みが注目されるなか、音楽を通じ地域の活性化や文化向上に寄与し、企業イメージを高めるために始めたコンサートには、毎回、国内外一流の音楽家が出演。収容約300人分のチケットは即完売の人気イベントで、平成17年には企業メセナ(芸術文化支援)協議会選出のメセナアワード2005「地域文化賞」を受賞している。
30回記念コンサートは4月22日に開催。“サックスとソプラノの共演・春を奏でる”と題し、有村純親さん(サクソフォーン)、八木まゆみさん(ソプラノ)、永井哲さん(ハープ伴奏)、亀澤奈央さん(ピアノ伴奏)を迎えた。サクソフォーンの有村さんは学生時代に出演した第15回以来の登場。ソプラノでは、アヴェ・マリアや歌劇「マルタ」より庭の干草など9曲、サクソフォーンでは愛の挨拶やラプソディーなど8曲が奏でられた。定員一杯340人の来場者は、潤う歌声に浸り、サクソフォーンの独特な響きにもたっぷり触れた。「千の風になって」や「見上げてごらん夜の星を」「川の流れのように」などなじみの曲もあり、演者と聴衆が一体となり温かな時間を醸した。
開催30回、出演者100人、来場者1万人にのぼる偉業。同社有川社長は、「こんな山里でどれほどの人に集まっていただけるのか不安だった」と初開催の日を振り返り、地域文化への貢献が認められたメセナ賞受賞によって「一つの達成感を得た」ことも明かした。「今後も手づくりで一生懸命やっていきたい」と感謝の言葉を続けた。
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文化活動はもとより、本業の焼酎造りでも品質の高さに定評がある同社。昭和54年「田苑」に名称変更以来今年まで、鹿児島県と熊本国税局が主催する鑑評会で連続受賞(県28回、局29回)を果たしている。
芋焼酎の焼酎粕から製造する「もろみ酢」開発でも先駆け。鹿児島大学医学部との共同研究で、メタボリックシンドロームを含めた生活習慣病に対する、もろみ酢の効果を検証した研究成果も発表されている。