【東京】3月27日、年金事件・関被告(小売中央会・元事務局長、背任・業務上横領で起訴)の第11回公判が東京地裁刑事第522号法廷であり、事件の関与者として藤田利久現会長をはじめ中央会の7氏を刑事告発している大島和加丸氏の証人尋問が行われた。証言は、2月20日前回公判で関被告が主張した「連帯責任」を補完。事件の捜査を、「関一人に罪を被せ、真の悪を追求するものではない」と批判した。
審理は弁護士が証人を尋問する形で進行。同氏の経歴確認では弁護士が、氏が著名な刑法学者で最高裁判所長官を務めた泉二新熊(もとじ・しんぐま)氏の血縁であることも示した。大島氏は中央会理事ではなかったものの、中央会北九州支部支部長、福岡県小売酒販組合連合会会長、中央会の免許制度専門委員として、またそうした公職を通じた人脈で中央会組織の運営、内情に精通。自ら志願し被告のために証人に立った理由を問われると、「すべての責任を関に押し付けようとしているのはおかしいと思ったから」と答え、さらに「(被告は)使用人に過ぎず、理事が責任を放棄し、関におっ被せようとしていることが許せない」と訴えた。
今回の事件は、「砂古(投資顧問会社「Strathmore Adm Service」の砂古健氏)と日下部(「クレディ・スイス銀行」の日下部治郎氏)に関と中央会がだまされたものだ」と主張。両氏を対象に新たな刑事告訴を提起していることも明かした上で、「理事、年金運営委員会委員に責任がある」と断言した。
刑事告発の被告発者を問われ、「関、清木、吉竹、藤田、幸田、島田、平野」と7氏の名を挙げた。すべて中央会関係者。清木雄而氏は年金運営委員会委員長、吉竹脩男氏、藤田利久氏は同委員会委員。藤田氏は現会長。幸田昌一氏は元会長。島田、平野両氏は事務方。「どうしても許せないのは清木と、年金運営委員でありながら会長におさまっている藤田」だと付言した。
大島氏は捜査のやり方に疑問を呈し、自らの告発が利用されただけで、真相究明にはつながっていないとの怒りもあらわにした。同氏の告発受理が平成17年11月7日。直後の翌日、強制捜査が入った。翌年3月8日には同氏へ「砂古の不起訴処分通知」が届いた。氏は砂古氏を告発していない。
同年2月15日付けで藤田会長が関と砂古を刑事告訴している。その告訴から23日後には不起訴となった格好だ。年金懇談会、年金委員会の議事録に基づく捜査が行われていないとも批判。「捜査は真の悪を追求するものではなく、関一人に責任を被せ真相をゆがめるもの。なくなったのは(関が受け取った報酬)1億3800万円ではなく、144億円だ。破たんしていた制度を解散しなかったことが(事件の)第一の原因であり、(議事録などの)証拠を無視せず、きちんと調査し責任者を処分し、年金加入者の救済へ道が開けることを願う」と訴えた。
証言に耳を傾けた被告は時おり涙を流し、証人の退席に際しては深々と頭を下げた。
次回公判は4月25日午後1時30分から、同号法廷で開廷予定。