
【鹿児島】取り扱い酒販店自らが、芋焼酎の仕込みに使うコメとサツマイモの栽培にかかわり、製造にも立ち会った「木樽蒸留『千刻蔵の隠し玉』(手造りかめ壺仕込み)」(アルコール分25度、1・8lびん、小売税込み2900円)を、鹿児島県内4店、県外4店の酒販店が販売している。発売は昨年12月。
製造元は県内の若潮酒造協業組合(「さつま若潮」醸造元、志布志市、下戸直一代表理事)。酒販店が、麹米用に持ち込んだ酒米「レイホウ」、原料芋は「金時」の栽培にかかわり、その収穫米・芋を使って平成17年から、同社「千刻蔵」で仕込んでいるもの。「千刻蔵」は、甑(こしき)による麹米の蒸し、もろ蓋を使う手造り麹、1次2次仕込みともにかめ壺仕込み、そして木樽蒸留、かめ壺熟成--という手造り一貫の蔵。その味わいを裏ラベルで、「香り、旨み、味わい、余韻など、南国の風土が培ってきた独特なおいしさとバランス。その一つひとつが凝縮されている」と表現している。17年仕込み分は1・8l商品換算約2500本、18年仕込み分は4000本程度になるという。
「生(き)で飲んだ方が、割っているのでしょうと尋ねるぐらい」とは、「隠し玉」販売店の1店、「井手酒店」(鹿児島県鹿屋市)の井手孝一代表。レイホウ・金時仕込みならではの香味をたたえ、やわらかな口当たりで売れ行きも好調。「コメの田植えから芋苗の植付けまで、麹造りから芋切りまでを行い、思い入れが全く違う」とも。店頭でのディスプレーで、商品の魅力をアピールする=写真=。
商品には、発売元の明記はない。製造蔵の技術の高さに敬意を払う井手さんには一つの願いがある。「数店の酒販店で商品を囲い込むのではもったいない。若潮酒造の焼酎は鑑評会でも高く評価され、そうした質の高い良い焼酎を造る蔵であることを、同じ価値観の仲間と一緒に伝えていきたい。『隠し玉』が蔵元にとってもプラスになれば」と語る。
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オリジナルの芋焼酎商品で、県下蔵元の魅力を引き出し、消費者へと伝える取り組みは、同店を中心に地道に重ねられてきた。第1弾は、平成4年発売の「呑酔楽(てんすいらく)」(老松酒造)。その後、「あすへの道しるべ」(大海酒造)などを展開している。