
【熊本】福岡県久留米市の蔵元、朝凪酒造(日本酒「朝凪」醸造元、久保山泰社長)が1月23日から26日までの4カ間、デパートの「くまもと阪神」(熊本市)で搾りたて新酒の量り売りを行った。地下和洋酒売り場に、約800lのタンクを据え付け、来店客の目を釘付けに。「荒走り」がタンクから、ちろちろと樽へと垂れ、その演出に販売も振るい、蔵元の樋渡繁夫さんとお客さんの会話も弾んだ。
樋渡さんによると、同社が量り売り企画を打ち出したのは約7年前。当時流行っていた焼酎の量り売りに触発されて始めた。「くまもと阪神」では地元酒類卸、野田商店(熊本市)を介し、2年目の実施。同様の量り売りを、いまでは九州3店のデパートに限定し展開。別パターンで、火入れしたばかりの酒をタンクごと据える量り売りは、約10店の酒販店で行っている。
期間中に販売した酒は、蔵元自ら米作りにかかわった県産酒造米、夢一献で仕込んだ「荒走り・純米吟醸生原酒」。会社を退職した市内在住の男性(64)は、きき酒を重ね、「本当にすっと入る。幸せを感じる」と話す。「冷蔵庫で保管して寝かせれば、来年1月1日、旨さはピークを迎える」とアドバイスする樋渡さん。量り売りという演出で売り場に立つから、「消費者の声がもろに聞ける」。「さながら、“出張蔵開き”という感じ」だと言葉を重ねた。