【高松】高松国税局が四国4県の酒造メーカーを対象に来春実施する平成18年「四国清酒鑑評会」が大幅に方向転換する見通しが明らかになった。これまで同会の目的だった品質向上や製造技術の進歩に新しく「市販清酒の品質向上」を盛り込み、消費者の視点に立った内容にシフトする狙い。吟醸酒を厳格に審査するほか、料理との相性で純米酒も評価の対象に加える。同局は今春の鑑評会で全国でも例がない客観的な数値審査を導入しており、さらに今回は歴史的な大転換となる。
同局鑑定官室(須藤茂俊室長)がまとめた概要によると、消費者が実際に市場で購入して飲む市販酒の品質を向上させる文言を目的に盛り込んだ。これまでコンテスト的な色合いが濃い鑑評会だが、過去の調査データで実際に消費者が購入する市販酒との品質に差異が多く、これらを解消する狙いがある。
出品する吟醸酒は、課題酒と自由酒に2分類。このうち自由酒は従来通り「斗瓶取り」など事前のブレンドも可能なコンテスト出品用の吟醸酒に相当するが、課題酒はメーカーが出品を前提に意図した酒質に規格できるよう技術力も調べる。具体的には、市販酒などに利用される300l以上と比較的大きい単一のタンクから採取した酒だけで、ブレンドを禁止。厳格な出品を徹底するため12月25日(予定)まで鑑定官室に事前の手続き登録が必要で、上槽直前の醪ろ液を送付して成分チェックを受ける。
さらにこれまで審査だけだった純米酒も新たに優等賞を決める総合点の対象に加える。きき酒だけで旨味などを評価する通常評価に加え、料理との相性として今回は審査員が日本食の代表ともいえる「魚の煮付け」との相性を審査する。同時にアルコール分と鉄含有量の2点も成分評価。メーカーの厳格な計測や日本酒にとって劣化の敵ともいえる鉄分をチェックするためという。
同局は、今春実施した平成18年鑑評会のの審査精度を高めようと、新たな「評価方法と評価基準」を導入。単に審査員の個人的な主観的判断による官能審査でなく具体的な数値化や複数の議論で客観性を重視した。これまで予審で得た点数が決審でゼロになる制度も改め、持ち点をスライドさせるよう転換。今回は吟醸酒関係200満点に加え、純米酒が120点に旨味など通常評価のプラスアルファーの点数で最高は理論上で総合342点になるという。