
【福岡】「福岡県酒販年金被害者の会」(県下103人加入、大島和加丸代表=福岡県小売酒販組合連合会・前会長)が11月12日、福岡小売酒販組合の事務所(福岡市中央区赤坂)で全県の加入者を対象に、緊急の説明会を開いた。東京の被害者の会と連携し訴訟準備を進めることへ理解を求めるもので、その提訴のための原告団に加わるよう呼びかけた。当日は被害者自らが被害の実情を訴え、自らが原告として立ち闘う決意を表明した。
会では、事件の真相究明と責任追及、被害救済に動かない県連、中央会に対し憤りの声があがったほか、監督官庁の責任を問う発言もあった。同日現在36人が、原告団の一員として提訴する旨の、告訴代理人弁護士への委任状を提出。翌15日には委任状提出者は63人となり、同会大島代表は、「ほぼ全員が原告になる」との見方を強めている。
約20人が参加した説明会では冒頭、同会が行った、年金問題に関する県下理事長の意識アンケート調査の結果を報告。8割が、酒販年金制度は中央会事業で、破たんの責任は中央会にあると回答したものの、「いまだにだれが被害者なのか、正確に把握できていない状況」(同会発起人の1人、福岡組合浅川吉允理事長)の異常を訴えた。
続いて大島代表が、東京地裁で審理中の小売中央会、関・元事務局長の公判報告を行ったが、そのなかで特に問題視したのが、“年金制度運用に関する施策実行フローチャート”。その構図から、関被告以外に、現中央会役員を含め多くの関与者が事件を引き起こしたとし、制度継続の決定が犯罪を誘引したとの見解を示した。自身の責任追及は行政介入で阻害されているとも。県連会長人事をめぐり当局の介入があったこと、昨年8月の中央会臨時総会の前に、上程予定の“2回目以降返還中止案”に反対しないでほしいとの要請があったこと、そうした介入の是正を求め、国税庁にも実情を訴えているが、改善が図られていないことなどを明かした。
責任追及を逃れ、保身を図ろうとする者が事件を終わらせようとしている、として被害者の怒りは爆発。組合役員が内部情報を得て“インサイダー解約”し被害を免れたことや、2県ではそうした情報により900人の集団解約があったことなどで組合幹部への不信感も強く、組合トップのリコールを求めるべきとの声もあがった。
原告に加わるよう訴えるなかでは、同会活動のスタンス、被害者の自己責任で事件を終わらせない、被害者に金銭的負担はかけないことが重ね説明された。弁護士費用などは大島代表が個人負担しているとの説明があると、被害者から「本来は県連とか中央会がやるべきことではないか」「組合トップは代わるべき」「何よりも(中央会年金運営委員長で、県連元会長の)清木氏が一度も顔を出さないのはおかしい」との声があがった。
被害者の1人、北九州市八幡東区の山縣精子さんは、年金制度が元本割れで破たん状態に陥っていた平成13年、夫の勝雄さんの分と合わせ、一括で約3309万円を納付。それまでの掛け金208万円と合わせた3517万円のうち、戻ってきたのは970万円で、2547万円の被害を受けた。制度の危機的状況の情報公開がない状況下で、一括納付をしたわけで、「詐欺にあったようなもの」だと憤る。説明会では、被害にあったお金は、夫婦で旅行にも行かず、人も雇わずコツコツとためたものであること、自身が肝炎で将来の生活に不安があること、さらには事件が発覚し途方に暮れ、近くの被害者と連絡を取ろうとしたが個人情報で守秘義務があるとして孤立化したこと--などを語った。
身障者の息子のために年金を掛けていた老婦人は、息子の介護のため当日の参加がかなわなかったとの報告もあった。