公正取引委員会は、2005年度の「公正取引委員会の活動に関する年次報告」を国会に提出した。その中で、酒類業界に関係の深い中小企業を取り巻く、取引の公正化への取り組みでは、中小事業者等に不当な不利益を与える不当廉売、優越的地位の濫用等の不公正な取引方法や消費者の適正な選択を妨げる不当表示等に対し厳正かつ積極的に対処している。
公正取引委員会では、ルールある競争社会の推進のため、中小企業に不当な不利益を与える不当廉売行為等に対し、今後も、迅速・厳正に対処する方針だ。
<不当廉売に対する取り組み>
(1)不当廉売規制=企業の効率性によって達成した低価格で商品を提供するのではなく、採算を度外視した低価格によって顧客を獲得することは、正常な競争手段とはいえず、これにより他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがある不当廉売は、不公正な取引方法の1つとして禁止されている。
(2)小売業における不当廉売事案の規制=①処理方針…申告のあった事案に対しては、可能な限り迅速に処理することとし(原則2カ月以内)、大規模な事業者による不当廉売事案または繰り返し行われている不当廉売事案で、周辺の販売業者に対する影響が大きいと考えられるものについては、周辺の販売業者の事業活動への影響等について個別に調査を行い、問題のみられる事案については厳正に対処することとしている②規制基準の明確化…小売業における不当廉売規制の考え方については、昭和59年に「不当廉売に関する独占禁止法上の考え方」を公表しているが、規制改革が進展している中で、酒類の取引実態を踏まえた不当廉売等の規制の考え方を平成12年と13年に公表し、これに基づいて取り組んでいる③処理状況…平成17年度において小売業者に対し不当廉売につながるおそれがあるとして迅速に注意を行った件数は、酒類が397件、石油製品が130件、家庭電器が2件、その他が78件、合計607件となった。酒類に対する注意件数は全体の6割以上を占めており、酒類で不当廉売の疑いをもたれる事案がまだ多い状況が続いているとみられる。