大きな社会問題となっている「飲酒運転」による死傷事故が、依然、後を絶たず、違反者に対する厳罰化の世論が一段と高まっているなかで、警察庁は9月19日、酒類を販売・提供する業者の団体に対し、次のように飲酒運転抑止対策への協力を要請し、飲酒運転の根絶に向けた取り組み強化をするよう求めた。
【警察庁交通局長の協力要請】
警察では、飲酒運転の抑止対策に取り組んでいるが、今年は飲酒運転による交通死亡事故が昨年に比べ増加しており(7月末現在419件、昨年同期比1・7%増)、また、8月25日には福岡県内で、飲酒運転の普通乗用車が一家5人乗車の普通乗用車に衝突し、橋から海中に転落した被害車両に同乗していた幼児3人が死亡するという、痛ましい事故が発生した。このことを契機に、飲酒運転の撲滅を求める国民の声が高まっている。
警察では、こうした情勢を踏まえ、緊急措置として、8月30日付で「飲酒運転抑止対策の強化について」(警察庁交通局長通達)を発出し、飲酒運転およびその教唆・ほう助行為の厳正な取り締まりと飲酒運転追放気運高揚のための関係機関・関係業界に対する働きかけなど、飲酒運転抑止対策の強化を各都道府県警察に指示した。
さらに、政府全体としても飲酒運転の根絶に向けた取り組みを強化すべく、9月15日、関係15省庁の同意の下に、中央交通安全対策会議交通対策本部決定がなされ、同決定では「酒類を提供する飲酒店などに対し、関係団体などを通じて、運転者への酒類提供の自粛とともに、飲酒運転をさせない取り組みについて協力を要請する」とされた。
ついては、飲酒運転をめぐる諸情勢を察していただき、都道府県警察および関係業界などと共同での飲酒運転防止キャンペーンの実施など、飲酒運転撲滅に向けた取り組みを積極的に推進されるとともに、都道府県警察からの要請・依頼に対し協力いただくことについて、傘下団体・企業などにも周知されるなど、飲酒運転防止の取り組みに配慮をお願いする。
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酒類業界では、飲酒運転の事の重大さを踏まえて、すでにビール業界では4社が9月末から10月初めにかけて、「飲酒運転厳禁」と「注意」を喚起するポスターを、料飲店などへ配布することとしているほか、広告・宣伝に際しては、飲酒運転の禁止などの注意表示を加える方向で検討している。
また、容器、ラベルへの注意表示は、種々問題点があるものの、検討課題の一つとして対応を検討している。いずれにしても、ビール各社は、総合酒類メーカーとして、飲酒運転の撲滅への対処を真剣に考え、種々の対応策を論議している。他の酒類業界、酒類販売業界も、それぞれの業界で可能な対応策を考え、飲酒運転の抑制へ協力を重ねるものとみられる。