
【福岡】佐賀県産の日本酒を、九州一の市場、情報発信拠点ともなる福岡でアピールしようと、佐賀県酒造組合が9月16日、同地の消費者や料飲店関係者を対象に酒塾「佐蔵会(さくらかい)」を立ち上げ、同日福岡市内の料飲店で初めての酒会を開いた。
同会は福岡の情報誌との共同企画。“受講生”は9月から11月まで各月1回、福岡市内の料飲店やホテルを会場に開かれる3回の講座(通し受講料7500円)を通じ、日本酒に関する知識を学ぶとともに、毎回のテイスティングや酒宴で佐賀県産日本酒の魅力に触れ、蔵元との交流を深める。酒造組合は、試飲会形式のイベントでは難しい「コアなファン創り」(組合青年部「佐醸会」小松大祐会長)を、新たな試みで目指していくことになる。
第1期受講生は約25人。9割が女性で、5人程度が料飲店関係者という構成となった。当日の初回講座では、県下10蔵約30点の日本酒を揃え、うち台風禍で欠席者を除く全8蔵の関係者が参加。県下のほとんどの蔵元が、1、2回講座のいずれかに参加し、3回目の講座にはほぼ全蔵、自醸の約20社が参加の予定で、“人的交流”を重視しているのが特徴だ。
今回の講義では、日本酒が2種類の微生物、酵母と麹菌のハーモニーによって生まれることなどが説かれ、おいしく健康に飲むための“和らぎ水”も提案された。その後、特定名称酒3種をテイスティング、酒宴へと入ったが、蔵元が受講生の間に入り、疑問などに応え交流を深めた。
酒造組合ではこれまで、県産日本酒の福岡市場でのアピールのため、年1回、同地の消費者ら100人以上が来場するイベントを催してきたが、コアなファン創りは難しいとの判断から、新たな提案を模索してきた。「佐蔵会」では、「一人ひとりにファンになってもらい、その一人ひとりから情報発信いただき、料飲店でも佐賀の日本酒を楽しんでいただけるようなネットワークをつくっていきたい」(「佐醸会」小松会長)との思いが強く、「世間話も交えて蔵元と受講生が仲良くなることが結局、コアなファン創りにつながっていく」(同)との考えだ。
日本酒に関して正確な情報発信を重視する組合では、地元で日本酒学校を開校しているほか、燗酒の普及浸透を図るイベントも開いてきた。「佐蔵会」はその延長上にありながら、“コアなファン創り”という新たな課題に挑む試金石となりそうだ。