宝酒造 18年度下半期戦略、酒類事業の収益力向上へ

 【東京】宝酒造は9月12日、東京会館で醸界専門紙記者団と懇談会を行い、平成18年度下半期(18年10月~19年3月)における戦略などを発表した。大宮久社長は冒頭のあいさつで、その重点方針を次のように語った。

 日本経済は、好景気が続くが、原油高や輸出の減少などの懸念材料も出てきており、人口減少と老齢化の進行で酒類のパイが減少傾向にあり、その上、小売免許の規制緩和で新規免許が相当下付されるなどで、難しい環境に入っている。酒類などのパイが小さくなるのに、小売の窓口が増えれば、1店あたりの販売量が減り、競争激化が懸念される。

 当社では、第6次経営計画の2年目を迎えるにあたり、その中で3つの方向・戦略として、①酒類事業の収益力の向上②非酒類事業(調味料、機能性食品、アルコール)の強化・拡大③海外事業の強化--を推進していく。

 酒類事業では、「一刻者」など本格焼酎が伸長したが、焼酎全体は前年並みに推移しているので、高付加価値本格焼酎の育成強化と甲類ニュータイプ焼酎の活性化などに注力する。清酒「松竹梅」は1・8Lびん商品の活性化を図り、びんのデザインを刷新し、松竹梅「天」は早期育成に注力する。

 調味料加工業務用事業は、7兆円とみられる中食市場に注力し、事業を強化していく。アルコール事業は、粗留アルコールの価格は上昇しているが、この機会に力を入れて利益を確保する。

 また、当社は、機能性食品事業の強化のため、今年12月末をめどに清涼飲料事業から撤退するが、その余力を3つの方向に振り分けていく。

 次いで、高橋忍副社長が18年度下半期の主な戦略・方針について次のように発表した。

 <焼酎>①高付加価値本格焼酎の育成…すべての原料に強力なブランドを持つ、バランスの良いフルライン戦略を展開する②甲類ニュータイプ焼酎の活性化を図り、黒壁蔵の資産を活用し差別化された品質の追求によって再構築をする。

 具体的には、全量芋焼酎「一刻者」の育成強化では、平成18年新酒で「芋100%新酒」を徹底訴求し、こだわり商材のフルライン展開を図り、芋焼酎の黒麹かめ仕込み「黒甕」新酒、「米全麹」「麦全麹」、しそ焼酎「しそ小町」を発売。甲類ニュータイプ焼酎の活性化では、店頭陳列に高効果のカラーボトル「JAPAN」を育成する。

 <清酒>①1・8Lびんの活性化…大幅なリニューアルで活性化を図る②松竹梅「天」の早期育成を図り、量的拡大のスピードアップとさらなるブランド強化③「白壁蔵」の育成…松竹梅白壁蔵「三谷藤夫」の育成強化により料飲店ルートで粘り強く育成④こだわり商品として原料、水、造りにこだわった季節感ある商品を展開する。

 <ソフトアルコール>①果汁系チューハイを拡大し、果汁系チューハイのパラダイムを転換②辛口ゾーンの地位確立…レモンの活性化を継続と、「焼酎ハイボール」を育成強化③和リキュールブランドの構築…産地限定果汁使用、本格焼酎使用の“ふるさとリキュール”とこだわり梅酒を投入。

 <調味料>①本みりんのシェア拡大…上質ゾーンの「純米」とスタンダードゾーンの「醇良」の品揃えを強化②本料理清酒の販売強化…ラインアップ充実による取り扱いアップと、酒類料理酒と加塩料理酒の違いの認知度アップを図る。

 また、調味料加工事業本部の戦略については、中食市場の徹底攻略では料理用清酒の拡大と「京寶」ブランドの育成を図り、スーパーでの総菜の開拓、加工用市場への対応を図る。商品戦略は、新商品として「京寶・本料理清酒」を発売する。

(掲載日:2006年09月21日)
関連リンク : 宝酒造

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