清酒中央会 原料米の高価格による不利是正へ大幅減税を要望

 日本酒造組合中央会は、清酒、単式蒸留焼酎、みりん2種の平成19年度酒税制度等に関する要望書で、まず、平成18年度酒税制度改正に対し、清酒については「定義、税率構造を見直して、『米から造られた醸造酒』という特性が従来以上に強められて明確になった」と高く評価したあと、今回(18年度改正)の酒税制度の見直しで解決されなかった問題として、「清酒等民族の酒のもつ本質や価値にふさわしい制度上の国家的位置づけが十分なされたとは、いまだ言い難い」と指摘。

 そして「清酒等の原料である米は主食であり、その生産を守らなければならないとする従来の食糧政策のもと、その安価な購入は全く期待できないのが現状だ。他の酒類業界のほとんどが比較的自由に安価な原料を入手できるのに比べ、清酒はコスト面で極めて競争上不利な状況にあるにもかかわらず、清酒は歴史的にわが国の主要な酒類であったことから、税収確保のため相対的に重い酒税負担を強いられてきた。今般の改正でも、その是正は極めて不十分だ」と強調した上で、わが国の酒税制度のあるべき姿について、「今日、世界的潮流として、それぞれの国や地域の独自の伝統や食文化を、広く再評価し振興しようとする動きが大きくなっていることにも心すべきだ。われわれは、わが国文化の一翼を担う古来の伝統酒類の生産者として、わが国が世界に誇りうる日本の民族の酒に対しては、それにふさわしい評価がなされなければならない、と考える。清酒、本格焼酎・泡盛、みりんの生産に、われわれが今後長きにわたり誇りと自信をもってまい進できるよう、これら酒類のもつ本質、価値にふさわしい制度上の国家的位置づけがなされるよう、強く求める」と要求している。

 その上で、同中央会は、当面の具体的酒税制度の改正要望事項を、次のように訴求している。

 (1)清酒の酒税負担の大幅な軽減=“1”原料である米が食糧政策上、極めて高価格となっている競争上の不利の是正のため“2”果実酒および合成清酒との不合理な格差の是正のため。

 (2)「清酒に非ざるもの」への「清酒」との名称の付与の是正=酒の文化性を守るためにも、歴史的遺物とも言える「合成清酒」の名称変更が不可欠。

 (3)「焼酎」との名称使用の厳格化=酒の文化性、国際基準からみて、問題のある「連続式蒸留焼酎」の名称変更が必要。

 (4)みりん模造品の不当表示是正のための法制度の整備=酒類でないものには、酒類と紛らわしい表示は禁止するための法規定の制定、乱用を許している酒税法体系上の措置の是正、公正取引法令の厳格な運用等、早急な対応を図ることが不可欠。

 (5)伝統民族酒生産事業者に対する中小企業対策(地場産業の育成)、農業政策などの観点からの特別措置の確立=民族の酒のもつ本質や価値を守り、はぐくむための国家としての意思の具現化を強く求めるもの。

 このほか同中央会では、「租税特別措置法第78条の3(商工組合中央金庫等の抵当権の設定登記等の税率の軽減)の適用期限の延長」を要望している。

 この措置は、平成19年3月31日が期限となっているが、清酒業界が実施している信用保証事業を円滑に推進していくため、今後とも必要な措置であることから、適用期限の延長を強く要望している。

(掲載日:2006年09月22日)

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