【東京】年金資金の巨額外債投資、政治資金の流用に絡み業務上横領、背任で起訴されている小売中央会・関元事務局長の第3回公判が8月23日、東京地裁刑事第522号法廷であった。政治資金をめぐっては容疑を認めてきた被告が、年金事件に関し審理に入った同公判では態度を一変。弁護士の審問に対し、元本割れの破たん状態を脱するには、高利回りの外債投資以外に選択肢がなく、さらに自らに新規運用の決定権はなく任務違背はなかったと主張し、全面的に容疑を否認した。
投資に関し、信託契約銀行からリスクの説明はあったが、「取りはぐれのない安全なもので、損害を与えるとの認識は一切なかった」と強調。年金事業の執行責任は、小売中央会・幸田昌一前会長就任後の組織変更で吉竹脩男専務理事に移行し、同氏の決裁で自身が実行したとした。投資運用は理事会の事後承認が常態で、事件化するまで問題視されたことはなかったと発言。さらに、「元本毀損(きそん)で制度を解散するしかないことは組織内で大きな問題になっていた」とも語り、組織が危機感を共有しながらも無策で、自身の責任のみが問われることに異議を唱えた。
元本割れを加入者に公表しなかったのは、総幹事行、三菱信託銀行が制度解散を求める一方、それまでの経過措置として取り付け騒ぎが起きないよう申し入れたことによるものであること、平成15年2月26日、国税庁に外債投資を報告した際の対応について、「どこの銀行どの商品が良い悪いと言う立場にはない。制度破たんをまぬがれて良かった」との話があったことを明かした。
金融ブローカーから衆院議員秘書を介し受け取った金銭について問われると、「謝礼だったが、受け取ってはいけない金で深く後悔している。多くの加入者の心情を考え深く反省いたします」と謝罪。金のために外債投資を勧めたのかとの審問には、「元本回復にはこれしかなかった」と投資との関連を否定した。
納得のいかない供述調書に署名捺印したことを問われ、「(取り調べの)これ以上ない辛い状況から一時も早く脱したかった。法廷で証拠に基づき発言したかった」と吐露。自律神経失調症の悪化を訴え、被告の休憩のために数回審理が中断された。
次回公判は、9月20日同地裁同号法廷で、検察官の審問が予定されている。